| 外国人労働者受け入れに関して 辻内 裕也 |
| 現在、日本では「外国人労働者受け入れ」に関しての議論が活発になりつつある。その要因として、少子高齢化に伴う労働力人口減少による生産力の低下を防ぐために外国人労働者を受け入れるべきだという意見が政財界から出されているからである。2005年に6650万人だった労働力人口は、現在の労働力人口構成のままでいくと少子化の進行に伴い、2055年には3898万人まで落ち込むことになる。仮に現在の労働人口構成に加わっていない高齢者や女性、いわゆるニート等が労働参加を果たした場合でも2055年には4012万人まで減少してしまうことになる。この数字が示しているように高齢者や女性の労働参加だけでは労働力人口の減少を食い止めることは難しいと言える。従来の外国人労働者受け入れの議論は、「受け入れ」自体の是非を問うことが多かったが上記の予測が示しているように今後は「いかに上手く受け入れるか」を議論していくべき時期にさしかかっているのではないだろうか。 事実、日本で働く外国人労働者の数は毎年、増加傾向にある。特に中小企業を中心とした製造業においては、外国人労働者の存在が無くては経営そのものが成り立っていかないケースも多く見られる。私の地元桑名市の地場産業である鋳物業界もいわゆる「3Kの巣窟」とも呼ばれる過酷な労働現場を避ける日本人の若者が多いことから、日系人や中国からの技術実習生に頼らざるをえないのが実態である。このようなことからも分かるように、これまでの日本の外国人労働者政策の方針である「専門的・技術的分野での積極的受け入れ」、「単純労働者の受け入れ制限」というものがあくまでもたてまえであって実態とは大きく乖離していることが分かる。しかも、この外国人労働者の増加は各地で色々な問題を引き起こしている。例えば、三重県四日市市の笹川団地には南米を中心とした多くの日系人が生活しているが、日本の生活に馴染めない者や学校にきちんと通わない子供達が増加する等している。これらの問題は、長期的な視点で見ると地域の不安定さを招くことにもなりかねず、いかに彼らを日本の社会から孤立させず共生していけるのかを考えていく必要がある。また同時に外国人労働者の待遇面に関してもきちんと考えていく必要がある。それには、最低賃金の改正や社会保障の整備等、彼らが日本社会の中で「健全」に生活していける環境を作っていくことが求められる。 しかし、一方で無制限に外国人労働者を受け入れてしまうことには慎重になるべきである。受け入れにあたっては、身分確認の徹底や滞在期間の制限を設ける等、政府による管理も重要になってくる。このことは、外国人労働者を受け入れることで予想される色々な軋轢を防ぐ面でも効果があるはずだ。 この「外国人労働者受け入れ」に関しては、私達、日本人のメンタリティーからくるものなのか今までは正面から議論してこなかった経緯ある。「何となく嫌」、「何となく不安」といった素直な感覚が全く無くなったわけではない。しかし、もはや外国人労働者を「受け入れざるをえない」実情になりつつあることを認識し、「いかに上手く受け入れるのか」ということを日本の国民一人一人がきちんと自分の問題として考えていく必要があるのではないだろうか。 |