現在、我が国の人口の5人に1人が高齢者になっている。高齢化は今後も進み2055年には後期高齢者(75歳以上)が4人に1人となり、65歳以上の人1人を65歳未満の人1.3人の生産者人口(15歳から64歳)が支える社会になると推計されている。このような社会は外国でも例がなく、多くの対策が必要になる。少子化問題とあわせて高齢社会の問題は我が国に大きな影響を今後も与え続けることは間違いない。
この問題を踏まえた対策として、少子化対策、高齢者の雇用が考えられているが、2055年においては、たとえ70歳までを生産者人口としても1人を1.5人の生産者人口が支えることになる。(現在65歳以上の人口を生産者人口3.3人で支えている。)この数字から、上記の対策では高齢社会対策としての限界があることは明らかである。
日本人で高齢社会問題が解決できないのであれば、外国人労働者に依存する方法があると考えるのは自然であろう。しかし、外国人労働者の拡充には問題がないわけではない。ヨーロッパにおいては外国人労働者の流入で失業率が上昇して自国の国民の雇用が阻害されているという声もある。実際にフランス大統領に就任したサルコジ氏は大統領選挙で外国人労働者数の上限を設けるという公約を掲げた。
外国人労働者の雇用は新しい問題ではない。日本企業が海外に進出してから現地で多くの問題が起きた。その問題は文化・生活習慣の違いなど深い問題まである。それらを解決するために試行錯誤を経て成功している企業も多い。だが、日本において外国人労働者を拡充することには犯罪の増加、子弟の不就学、低賃金労働、社会保障費の不払いなどの問題がある。これらは単純労働者の受け入れによることがその原因であると思われる。その対策には企業・自治体などでコストの増加要因となる。身近なことで考えると、そもそも日本人は外国人に対してアレルギーがある。自分と考え方が違う人をそのまま受け入れて一緒に仕事や生活をすることが不得手である。同じ民族が同じ考え方で生活してきた歴史から見ても克服することは容易ではない。
それでも現状においては、冒頭に掲げた日本の行く末を左右する高齢社会問題を解決するためには外国人労働者を拡充すべきである。外国人労働者の問題を解決することで、国際社会の中で日本がリーダーシップを発揮するためにも、それは必要なことである。
※ 参考文献
内閣府 共生社会政策統括官 高齢社会白書(平成19年度版)。
(http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html)
推計値は国立問題研究所「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果。 |