| 小泉前首相の功績を考える 榊原 宏和 |
| 2001年4月に発足して以来、5年半にわたって小泉前首相は政治改革に挑んできた。5年半にも及ぶ長期政権は、佐藤、吉田首相に次ぐ、戦後3番目の長期政権であった。しかも、退陣時の支持率は、約50%と脅威的なものである。 著者も小泉政権の支持者の一人であった。大きな理由は、国民主体の政治を行ってきたことにある。そのひとつの例として、財政再建として行った高速道路公団の民営化がある。 これまで収益を無視した高速道路が全国に多々作られていったことは周知の事実である。地方の高速道路誘致の要求が大きかったことが大きな理由だろうが、建設費は将来、子、孫に大きな負担になっていくことは間違いないであろう。不採算路線は、いわば負の遺産といえる。このような収益無視の高速道路を建設できた理由は、国からの厚いバックアップがあったからこそである。その点に関して、高速道路民営化により収益という考え方を植えつけさせた小泉政権の功績は大きいように思う。民営化による恩恵は、すでに一般利用者に現れ始めている。たとえば、山間地のサービスエリアに温泉を活用した入浴施設を設置したり、ETCを利用した割引サービスを導入したりと、利用者はより便利で快適なサービスを得られるようになった。また、一般企業になったことで、数百億もの税収が国に収められていると聞く。しかしながら、新直轄方式という名の基、計画された高速道路が全て税金で建設されることが決まったことなど万事うまくいったわけではない。この点は、役所や道路族議員との妥協があったように思う。 高速道路建設にこだわる道路族議員の例から分かるように、国の援助を期待する地方の甘えが今だ存在しているように思う。日本全体が大幅な赤字を抱えている今日、財政再建は避けては通れないものである。国から自立する努力が地方に必要であることは言うまでも無い。今後は、無駄なものは作らない、必要なものにしても安く調達するといった当たり前の考えを認識することが必要であろう。 小泉政権が大きな支持を得てきた理由は、一般国民の考えをシンプルに政治に反映させてきたことにあると思う。例えば、年度末の道路工事を無駄と思っていた国民はかなりいたように思うが、長い間、政治はこれをやめさせることができなかった。小泉政権はこういった問題を、各自治体に財政運営の責任を負わせることで解決の道筋をつけた。これまでの政治は、一部の既得権益者を意識したものであり、一般の人の考えがあまり反映されていなかったように思う。民主主義国家であれば、国民の意思を反映した政治運営(国民主体の政治)は当たり前のことであると思う。小泉首相の後を引き継いだ安部首相には、その点を考慮して更なる構造改革を進めていってほしいと思う。 |