子育ての社会化の必要性
川嶋太郎
 私は、今回の少子化対策の話を聞き、自分なりに考えるなかで、「地域」「家庭」「人口」の3点が大きく変わったのではないか、と考えた。
 地域の変化として挙げられるのは、人間関係が希薄になっているということである。昔はもっと近所付き合いがあり、助け合っていたように思う。しかし、今では周りに対して無関心な人が多くなっており、育児においても地域での助け合いを期待することは難しいと思う。

 家庭の変化として挙げられるのは、核家族化と共働きである。核家族化のため家庭に子育て要員が少なく、共働きでは子育て要員がゼロになってしまうこともある。私の職場では、どうしてもという時は岐阜の実家から親に来てもらう、という人もいる。今のままでは家庭の育児力は低下する一方だと思う。
 人口の変化としては、今後の労働力人口の変化が挙げられる。これから日本の人口は減少に転じ、高齢化が進み、労働力人口が減少する。そのため経済・産業を維持し、さらに発展させていくためには女性の労働力が今まで以上に必要となってくる。現在は、出産を機に離職する人も多いが、今後は出産後も女性が働き続けることを社会が要求するのではないかと思う。

 このように考えると、育児負担を家庭にばかり求めていては少子化の流れは止められないと思う。そのため社会全体で育児の負担を分担し合うことで、子供を産みやすく、育てやすい環境を作っていく必要がある。つまり「子育ての社会化」が必要だ、と私は考える。
 「子育ての社会化」は大きく分けると、費用負担、医療体制の確保、育児支援体制作りに分けられる。費用負担は家庭において最も懸念される点だと思う。妊娠・出産にかかる費用を不妊治療や妊娠による疾患も含めて公的助成をしていく。さらに児童手当の拡充などを通じて家庭の費用負担を軽減していく。医療体制の確保は安心して出産・育児をしていくのに欠かせない。国や自治体が奨学金を出して産婦人科医・小児科医を養成したり、開業資金を援助することにより医師・病院の数を確保する。さらに医師間・病院間のネットワークを整備し、より効率的な医療を行えるようにする。育児支援体制作りは働き方・育て方のバリエーションを増やすためにも必要である。育児休業や短時間勤務の充実・普及、病児・病後児・障害児保育を含めた保育体制の確保、地域における子育て支援拠点の拡充などが挙げられる。

 このように「子育ての社会化」を推進していくためには、多額の公費負担が予想される。よって子育て支援を全ての人々が、自分達の問題である、と認識し取り組んでいくことが必要となる。

 子供は社会の宝である。その子供たちの健やかな成長をみんなで応援していく体制作りが求められていると、私は思う。