題  少子化対策についての私見
氏名 中村 光伸
 少子高齢化問題が声高に叫ばれて、既に幾年月になる。その間政府は無策であったわけではないだろうが、合計特殊出産率の改善はなされていない。
 原因の一つとして我が国日本に魅力が無いからであろう。

 昨今の凶悪事件をはじめとする治安の悪化、少年少女のモラルの低下、見てみぬ振りの大人たち。すべては横のつながりが希薄化している。すべてとまでは言わないが原因の一端は我々大人にある。子供は親の背中を見て育つ、という言葉があるが、模範を示さなければならないわれわれ大人がモラルを低下させ、この国の魅力をなくしていっている。言い換えれば、結婚に魅力がない。子供を産みたくても苦労するから、経済的に余力が出来てから、とか中には親の年金がある間は親に面倒見てもらい、独身でいるという、パラサイト・シングル宣言した30代後半の私の友人がいたほどだ。もっともその同僚は結婚紹介所に登録したものの、病気持ち(腎炎)のため、相手側に遠慮されたケースがあり、結婚を諦めたのだが。
 少なくとも今の政府や国の対策では、改善しない、ということである。

 そこで少子化対策の大転換を図ってみてはどうか。
 家族政策の代表的な研究者ゴーディエによると、先進国の家族政策には四つのモデルがあるという。
     
  1. 出生促進主義モデル:出生率回復のために、政府の育児支援が必要だと考える。第三子に手厚い児童手当などに特徴がある。フランスが代表例。
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  3. 伝統主義モデル:伝統的な家族(夫が稼ぎ、妻が家を守るタイプの家族)を守るために、部分的には政府の育児支援が必要だと考える。長期の育児休業などに特色。ドイツが代表例。
  4. 平等主義モデル:男女平等のために政府の育児支援が必要だと考える。充実した保育サービスや、男女とも取得できる育児休暇などに特徴。スウェーデンが代表例。

  5. 非介入モデル:政府の育児支援の対象は、低所得者などに限られている。女性の就業は進んでいるが、政府の支援はほとんどない。アメリカが代表例。
 現在の日本は「伝統家族+非介入」モデルであり、そこからの転換を至急図らねばならない。となれば「平等主義+出生促進」モデルが一番の早道となろう。そのためには育児休暇・保育サービス・児童手当の大幅な拡充が欠かせない。しかし問題はこれらの制度を拡充しても、使う側の意識とそれを許容する我々社会の「整備」が急務となる。法整備して育児休暇を取得してもフルコミッション(給与の100パーセント支給)出せるようにするなど何らかの手立てが必要だ。

 また、平等主義モデルにあるように、男性女性の区別無く、子供を育てるためにはお互いの協力なくしては出来ないものである。それには男女共同参画社会への意識改革が必要となる。しかし充分な制度と予算の裏づけなしに、「意識改革」を安上がりな精神論として流用するなら、男女共同参画社会も少子化対策も画に描いた餅に終わってしまうであろう。※1

 今まさに、正念場であり、すぐにでも実行していただきたいものである。
 
※1 「超少子化-危機に立つ日本社会」(鈴木りえこ著 集英社新書2000年pp214〜218抜粋)