題  地方交付税改革のあり方について
氏名  中村 健
 地方交付税改革は、国庫補助負担金の削減、税源の地方への移譲と並ぶいわゆる三位一体改革の一つを成すものである。地方交付税とは、地方自治体間の財政不均衡を是正し、必要な財源を保障するために国から地方公共団体に対して交付される使途の限定されない資金であり、所得税・法人税・酒税の32%、消費税の29.5%、たばこ税の25%が毎年自動的に地方に与えられるしくみになっている。

 この交付税制度については大きな問題点がある。まず、歳出に対する地方のコスト意識が低くなる結果、無駄な歳出を助長してしまう恐れがあるということである。交付税は自主財源ではないため、それをきちんと使うインセンティブが乏しい。地方が交付税に頼る体質が改められ、住民が財源を負担するようになれば、税金の使い道に対し住民も今以上に関心を持つだろうし、不祥事の目立つ行政に対する住民の監視の目もより強くなるのではないだろうか。もっとも、そのためには交付税を削減するだけでなく税源の移譲が欠かせないわけであるが。

 次に、税収確保のインセンティブが働かなくなるということがある。これは、税収を増加させても自主財源の増加に寄与するのは増収分の20%ないしは25%でしかないということによるものである。これでは地方税を拡充させるよりも交付税を持ってきた方が早いということになりかねない。

 また、行き過ぎた再配分という問題もあげられる。日本の発展ということを考える時、「均等に発展」という考え方もあれば、「伸びる地域を伸ばす」という考え方もある。1つ目の考えは高度経済成長期以降のわが国での基本的な理念であった。地域間の格差是正という効果はもたらしたが、この10年余り日本経済全体が活性していなかった理由はこういったいわば守りの政策にも一因があるものと考えられる。もっと地方の独自性を尊重し、活性化している地域をより強化するような制度であったならば、このような姿にはなっていなかったかもしれない。

 21世紀は地方の時代と言われている。ナショナルミニマムを維持することは大切であるが、地方政策において必要以上に画一化を図ることは得策でない。それぞれの地方自治体が独自性を出しやすくするため、ひいては日本の発展のためにも、自治体が交付税に安易に頼る体質からは脱却させないといけないと私は考える。

参考:http://www.heri.or.jp/hyokei/hyokei82/82sanmi.htm