| 介護保険における看取り加算について |
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私は特別養護老人ホーム(以下特養)に勤めており、介護保険の動向に注目しています。今年4月より介護保険に新たに「看取り加算」が導入されました。 看取り加算は、医師より余命1ヶ月以内と診断される家族が、施設での看取りを希望するなど一定の条件が整った場合に、施設において行われる看取りの介護に対して1ヶ月を限度に支給されるものです。 介護老人福祉施設における看取りは一部の施設では既に行われており、今回の看取り加算の導入はその先進的な努力を評価するものです。しかし私は、看取り加算の導入の最も大きな目的は老人医療費の削減だと考えます。今まで病院で行われていた看取りを、より利用コストが低額な介護老人福祉施設、特に特養に移行することによって医療費を削減しようということです。 今回導入された看取り加算について私は問題点を2点指摘したいと思います。 (1)利用者が亡くなった場所によって加算が異なる 今回導入された看取り加算では、利用者が病院で亡くなった場合、支給額が半減します。そのため加算を満額得るために、病院での対応が必要な場合でも病院搬送しない、といったことが起こる可能性があります。この場合、既に医師による余命宣告を受けた状況ですが、それは必要な治療を妨げるものではないと思います。また、家族の心情が変化し「治療を受けさせたい」と入院になる場合もあります。それによって、それまでの看取りの介護の評価が下がるわけではないのに、その利用者が病院で亡くなった場合、加算は半減します。私は亡くなった場所で評価するのではなく、実際に行われた介護の質によって評価するものにすべきだと思います。 (2)現場の介護職が死に対する教育を十分に受けていない 現在の学校教育では、死について十分に教えられることはなく、介護の専門職である介護福祉士やヘルパーの養成過程でも実際に死と向き合うことができるだけの教育はなされていないと私は思います。特養は、医師が常駐しておらず、夜間は看護婦もいないといった状況で十分な医療が受けられないので、施設で対応できなくなったら病院に送り、病院で亡くなる、といったケースが多く、終末期の対応に技術的にも精神的にも慣れていません。私が勤める施設でも、看取り加算導入にあたり、介護職がきちんと利用者の死に向きあえるのかが問題となりました。私は現在働いている介護職に対して死・看取りについて学ぶ機会を提供していくとともに、専門職の養成過程に死・看取りについての学習をきちんと取り入れなければならないと思います。 |