| 題:日米同盟と憲法第9条 氏名:中村 健 |
| 日本国憲法第9条は、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認について規定している。しかし、現在の国際情勢について考えると、この9条が現実にそぐわないものに思えてしまうことがしばしば見受けられる。つまり、わが国の外交の基軸である日米同盟の精神と、9条の精神との間のかい離がどんどん大きくなり、この両者が並存しにくい・並存できない状況になってきているのである。 1990年の湾岸戦争を機に、PKO協力法、テロ特措法、イラク特措法などを制定することでわが国は自衛隊を海外に派遣してきた。そして今回の米軍再編が意味することは、米軍司令部の一部を日本に移転させて自衛隊との共同作戦・情報共有を強化し、普天間飛行場をはじめとした在日米軍基地の機能を強化することである。つまり、日米同盟を世界規模に拡大・強化するということである。さすがにここまで来ると、現行の9条を拡大解釈することで対応するのには無理があり過ぎる。 ではどうすればよいか。道は大きく2つあるのではないかと私は思う。1つは米国と一定の距離を置きつつ、世界に誇る憲法9条を生かして徹底した平和主義を世界に対し訴えかけていくことである。分かりやすく言えばガンジーの唱えた「非暴力・不服従」の精神である。時に米国と大きく衝突することもあるだろうが、日本が世界の国々に対してリーダーシップを持って主体的に外交を行っていけるかもしれない。もちろん、この場合自衛隊は漸次縮小・廃止していくことになる。 もう1つは、9条を改正して自衛隊の軍隊としての位置づけ及びその役割を明記することである。ごまかしと取られかねない拡大解釈はやめ、新たな時代に向けた自主憲法を制定する道である。こうすれば、米国の軍事的要求を躊躇することなく受け入れられる。 もっとも、この場合に考えなければいけないこととして、前者の道を進めば米国との関係の悪化が十分考えられ、また後者の道を進めばアジアの近隣諸国との関係の悪化が十分考えられるというジレンマが生じるということである。日本国民の大多数が納得し、米国とも良好な関係を維持しつつ、アジア諸国とも摩擦を生じさせない道を見つけられれば良いのであるが、そもそもそんなものはないのかもしれない。政府としては、説明責任をしっかり果たし、国民に対しどちらの道に進むべきか具体的に問う時期がそろそろ来ているのだと思う。 |