| 少子化への対応策−「支える層」と「支えられる層」のバランス 水川 淳 |
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少子・高齢化の課題を一口で表すならば「支える層」と「支えられる層」のバランスが保てなくなるということであろう。「支える層」と「支えられる層」それぞれ2つの視点からこの課題を考えてみたい。 大村先生のご講演でもあったとおり、少子化の原因として、夫婦間においての出産は、決して減少しているわけではなく、昨今の結婚のあり方、いわゆる「未婚化」「晩婚化」が問題の根本となっている。 生活の多様化、価値の多様化、そして個人の価値の増長(家庭観の変化と表してもよい)に伴い、「今結婚しても、豊かな生活を営むことに自信がない」「まだ、個人としてやりたいこと、大切にしたいことがある(故に結婚し家庭を持たない)。」と考える若者が多く、それが未婚・晩婚に結びついていると考えられる。 解決策として、経済的支援や、いわゆる出会いの場支援などの即効的支援策もあるだろうが、長期的視野に立ち、家族・家庭といった単位への意義・価値を理解するための抜本的な施策に早急に着手する必要を感じる。 一般的に高齢者と呼ばれるのは年金受給年齢となる65歳以上のようであるが、現代の医療の進歩や、食の向上、健康への配慮の重視などにより、なりたての「高齢者」(65歳〜70歳程度)は従来と比べて健康で元気なのではないだろうか。 この健康水準に合わせ「高齢者」の基準を引き上げ、その年齢までは現役世代として活躍できる環境づくりによって「支えられる層」の減少は可能であると思われる。 実際に高齢者としての福祉施策が必要となる世代は、概ね80代くらいであり、その「子どもたち」はおよそ60歳代となる。二世代が「高齢者」として一括りとされ、その子ども(孫)たちが、それを少ない人口で支えるのは、否、支えていかなければならないという構造は、上述の、個人の価値の増長等を考えると、悪しきスパイラルを生み出してはいないだろうか。たとえばニートや引き篭もりの増加などはそれが具現化されたものと考えられないだろうか。 今こそ、親世代だけではなく、子ども世代だけではなく、親子孫がそろって、「家族」という単位を考え、見直す時なのであろう。 |