| 題 「教育改革において変えるべきこと」 氏名 柴田 浩行 |
| 改正教育基本法によって、教育の理念が「個人の尊重」から「公共の精神の尊重」へと転換がなされたことは多いに評価できる。そもそも、人は一人では生きられない。家庭、地域、会社など様々な共同体の中に個々の存在が有る。互いに助け合い、連携して生きているからこそ、互いの存在価値を認め合えるのである。自己の居場所があるからこそ、安心して未来に目を向けられるのである。戦後教育の行き過ぎた「個」の尊重によって、今や自己の存在価値を見失ってしまった人が多数いると考える。このままでは地域コミュニティーが崩壊し、郷土を愛する気持ちが損失し、如いては日本人としてのアイデンティティーまでもが失われる恐れがある。このような現状を鑑みれば、教育バウチャー制度や学校選択制の導入には賛成できない。なぜならば、学校は地域コミュニティーの中心的な存在だからである。 改正教育基本法の第13条において「学校、家庭及び地域住民等の相互連携協力」という項目が新設された。教育を学校任せにしない。教師、保護者、地域住民が三位一体となり、信頼関係に基づく教育の活性化の必要を唱えているのである。教育の主役は子ども達である。そして、全ての人々が当事者である。教育改革において変えるべきことは、教師、保護者そして地域住民の意識である。誰もが、教育に携わることができるのである。教育に携わる過程で、地域の子ども達を愛し、地域を愛しむ気持ちが育まれ、地域において自分の居場所を見つけることができるのである。 私は現在、犬山市の小学校で評議会委員をさせていただいている。本学は校長先生のリーダーシップの基で「地域に開かれた学校」を目指している。学校を毎日公開し、保護者が本来の子どもの姿をきちんと把握できるようにしている。保護者に教師の真の姿を見てもらい、連携に必要な信頼関係の構築に努めている。保護者が教育活動に積極的に参加できるように、PTA活動の活性化を図っている。PTA活動が学校の請負ではなく、保護者が主体となった子どもとのふれあい活動の場となるように考えている。地域住民が教育活動に参加する機会も広げている。専門知識を持った方々に、クラブ活動やパソコンの指導をお願いしている。NPOの方々による特別支援教育への支援体制も確立されている。現在は、50名程のボランティアの方々が教育活動に参加している。運動会、発表会や夏祭りなど、学校行事と地域行事のコラボレーションも進めている。 我々が目指すのは、「学校をふれあいの場」とすることである。子どもと保護者のふれあいの場。教師と保護者のふれあいの場。保護者同士のふれあいの場。子どもと地域住民のふれあいの場。学校を拠点として、地域の絆「公」を取り戻したい。全ての人々が当事者として教育に意識を向けることによって、教育改革はスタートすることができると考える。 参考文献:「教育再生会議 第一次報告」 平成19年1月24日 教育再生会議 |