題 「2005年日本国際博覧会『愛・地球博』に思うこと」
氏名 深貝 博司

 去る8月18日、『愛・地球博』は当初目標であった入場者数1500万人を早々に突破した。単純に数値だけを見ると、我々の想像以上に好評を博しているように思えるが本当にそうだろうか。

 周囲の人達を見ても複数回入場したという人は数多く、期間パスポートの所有により入場回数が2桁を数えている人も少なくない。

 須田寛氏の話では「大阪万博の会期中は、東京駅に万博を往来した人が溢れていたが、今回はその様子は見られない」ということであるが、外国人入場者数が4%台という実態を見ても、この催しを「国際的な博覧会」および「日本国全体で盛況な催し」と表現するのは少々難しいと思う。

 言い換えれば『愛・地球博』は結果として「地域型アミューズメント」の性格を帯びており、東海地方(厳密に言うならば名古屋近郊)の人々を中心に大いに盛り上がっている催しであると感じる。

 その理由は3つあると思う。
 一つ目は「最先端技術の展示」という従来からの万博のコンセプトはこの時世においては魅力が薄く、遠方からわざわざ足を運ぶほどのものではなくなっているということである。なぜなら、今日では至る所で技術展覧会が毎日のように開催され、各企業の常設ショールームでもバーチャル・リアリティの類は常時体験でき、さほど珍しいものではなくなっているからである。

 2つ目は、東海地方にはこれまでに東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンのような大きなリゾート施設が無かったため、地元の人々はこの博覧会にあたかも東海初の大型アミューズメントパークが出来たかのような魅力を見出し、リピーターとなっているのではないかと考える。

 そして最後に、過去の名古屋オリンピック招致失敗の鬱憤が今晴らされているのではないかと思われる。招致活動が展開されていた1981年には、東海地方の人々は誰しも「オリンピックが来たら必ず一度は見に行こう」と考えていたはずであり、その想いが果たせなかった人々が今回の「念願の国際的な催し」の愛知での開催を心から歓迎しているのではないかと感じる。

 もっとも、私は『愛・地球博』を否定的に見ているわけではない。
 自身もこれまでに当博覧会に2度入場したが、水や植物で建物を覆って館内の自然冷却を行う様やゼロエミッションのバスが走行している姿は、今回の万博会場が「環境保護の理想郷」と謳われているだけのことはあると感動を覚え、また各企業のパビリオンにおいては技術の明るい未来が溢れていると感じた。

9月25日には成功裡に終了することを願っている。
以上