少子化問題に対する現状について
若宮 孝子

 「都市経営」での悩みを拝聴した。バブル崩壊後、成熟社会による負の遺産の存在は、避けては通れない。「少子高齢化」による影響は、今後の社会に多大なる問題を提議している。松原市長の「少子高齢化という言葉は受け入れるが、実質的な負担は受け入れない」との言葉は、耳が痛い。名目に係らず、国民の理解と協力が必要である。

 さて、子供の出生率が低下している昨今、実際に子育てをさせていただいている経験から、この問題についての実態を少しでも把握していただきたく、私が感じた事等について以下述べてみる。
 育てられる環境の整備について。名古屋市は、乳幼児助成として医療費が小学3年生までは、一定の所得制限はあるものの原則無料という措置をとっている。乳幼児の成長過程は、様々な病気が発生しやすい。子供を安心して育てるためには、やはり医療を平等に受けられる環境は、早期発見にもつながりとても重要な要素だと思う。是非続行して頂きたい。

 ところが、保育園の入園審査には、唖然としてしまった。就労しなければ、入園対象にはならないのである。就労したいと考えている人は対象外なのだ。
 入園されている親御さんの実態は、就労とは名ばかりで、実際に働いている人は半分いるのだろうか。行政の書類審査だけの形式的な対応によって、本当に困っている人についての対応が杜撰すぎて閉口してしまった。名古屋市では「のびのび子育てサポート」なるものを設けているが、実際利用してみようとすると、とても面倒な手続きがあり、使い難い。共働きの場合、子供の突然の病気はとても困る。病気の子供を病院でみていただけるシステムもあるが、ある一定の年齢でないと預かってもらえない。

 名古屋市の小学校では、全てではないが学童保育とは別に「トワイライトスクール」がある。学校内にあり、授業が終了した後、最終午後6時まで無料で子供を預かってくれる機関である。とても助かるし、有難い。
 ただ、子供たちだけで自由に安心して近所・公園で遊べる環境ではない。連れ去り・不審者の出現が多く、いつも子供を送り出すときは、危機感を持たざるを得ない。学校教育に関しても、学校に教育の全てを任せるつもりは毛頭ないが、先生個人の考え方を正ととることには、疑問が残る。

 今このような状況で、今後子育てについての問題は山積みで、不安は尽きない。行政だけの問題ではもちろんなく、社会全体の問題であり、社会の理解と協力が不可欠だ。子育てを取り巻く環境について、もっと実態を把握すべきである。そこから新たなる解決策を見出せるのではないだろうか。松原市長の「大きな耳を持った小さな市役所」にも通ずる部分なのかもしれない。