| 「名古屋の底力〜魅力ある都市づくり〜」 佐治 圭子 |
| 昨今の名古屋ブームにはじまり、中部経済の好調、愛・地球博の開催、そして、中部国際空港開港を機に、名古屋が日本中から注目されている。長年、名古屋の都市イメージは「大いなる田舎」「賑わいがなく暗い」「閉鎖的」とマイナスイメージばかりで、とても住みたい都市ではなかった。21世紀の名古屋ビジョンは、マイナスイメージを払拭し、新しい国際都市名古屋を目指している。誰もが住みたい魅力ある都市づくりに求められるものとは何か。 確かに、万博、セントレアを契機として、陸・海・空を拠点としたインフラ整備の成功は素晴らしい。しかし、利便性を追求するばかりで、住民本位の自治体づくりの取り組みには、まだまだ改善すべき課題が多い。 21世紀の名古屋は、少子高齢化・環境問題・医療と福祉また地震をはじめとする大都市災害対策など、問題が山積みしている。松原市長のご講演では、負の遺産を解決するためには、「選択と集中」であり、そして、どこを倹約するかを見極めた行政改革を行い、財源を確保することが重要であると、与謝野政調会長と同じご意見であった。松原市長のご講演で、特に、印象に残っているのが、子育て支援の選択と集中の成果である。確かに、『保育料の公的補助率(04年度)では全国で1位である。特徴として、第二子以降の安さであり、第三子以降なら、三歳になるまで保育料は原則的に無料である。しかし、人口一万人当たりの無認可保育所(04年度)では11位、人口一万人当たり学童保育所数も0.9ヶ所で8位。出生率においては(03年度)8位、合計特殊出生率で、名古屋は1.18と低い』(中日新聞朝刊記事05年3月31日・名古屋は何位なのか<5>より引用)出生率の低さは何が原因であるかを見極め、第一子からの子育て支援を行い、子どもを生みたい環境づくりから始めなければならない。また、「行財政改革計画」「行財政健全化計画」において、市職員を減らし、人件費を300億円節約されたが、名古屋を含む13政令指定都市においては、『市職員一人当たり人口(04年4月)は12位と人口の割に市職員が多い。議会の問題点も多く、議員の月額報酬は(05年4月)1位であり、最下位のさいたま市より、約20万円も高い』(中日新聞朝刊記事05年3月30日同上<4>より引用)このように、改善されるべき問題も少なくない。無駄を見つめ直し、名古屋ブーム、万博を契機にして活気ある名古屋を維持し、行政・市民・企業等が一体となり、この地域特有の堅実さ、人情味厚い地域の特質、底力を活かした、産業・文化・環境の構築に取り組まなければならない。 以上、積極的な名古屋を拠点とした基盤をつくり、人、モノを結び、効率を重視する社会から、地域住民が求める、住民本位の豊かで優しい社会、街づくりをすることで、「住みたい、働きたい」魅力ある国際都市名古屋を創造することが出来ると考える。 |