| 題 :小泉総理の靖国参拝問題 氏名:松本卓久 |
| ■靖国神社と愛国主義基地 中国側が問題としているのは「A級戦犯が合祀されている神社に、一国の総理大臣が参拝することは軍国主義復活を願うためであり、けしからん」という事である。しかし戦没者を慰霊しない国は存在しないし、その行為に対し外国から意見を言われる事は奇異な事である。もちろん慰霊といっても、国ごとに宗教観や歴史認識が異なるので、それは互いに国家間で尊重すべき問題である。 ただ例外もある。それは中国に於ける「愛国主義教育基地」の存在である。例えば南京の明時代からの処刑場跡地にある「侵華日軍南京大虐殺偶難同胞記念館」。南京虐殺は信憑性が大いに疑われる事件であるが、事件のあったとされている土地にある施設であるならば、当然慰霊のための性格を帯びた所であるはずだ。ところが実際には犠牲者とされる人骨の陳列や信憑性が疑われる写真パネルの展示等、「慰霊というよりは日本帝国主義の悪行を暴き、後世に末永く伝えるための施設」なのである。この事から中国は日本の靖国神社も同じような性格の施設であると見做している可能性がある。 ■指桑罵槐という中国の戦術 中国側の常套手段として「指桑罵槐(本当の怒りの対象とは全然別のものを攻撃する)」という論法がある。1982年中国軍部の長老派がこの論法で歴史教科書問題を表向きは批判しながら、実際は親日ムードで経済改革を推し進めていた_小平に向けて攻撃を仕掛けた。その結果「日本批判のキャンペーンは見事に成功を収めた。_小平の党内発言力は弱まり、一方の人民解放軍長老の発言力は増した 」。そして軍部の勝利が明白になると同時に日本批判は消滅した。 ところが当時の官房長官・宮澤喜一氏が「今後の教科書検定は近隣諸国の感情に配慮する 」という声明を出した為、中国側は「日本に対する有効な切り札としての教科書問題」を認識するに至り、その後も中国国内で問題が起きるたびに利用されるに至っている。従って、今回も中国側の本当のターゲットは単に日本に対する問題以外である可能性も否めないのである。 ■極東軍事裁判の再考 今後の日本の取るべき政策は、極東軍事裁判の再検討である。インドのパール判事の指摘のみならず当初から国際法上も様々な問題がある裁判であった事はすでに周知の事実である。またサンフランシスコ平和条約締結時に日本政府は「判決を受け入れたが裁判自体を受け入れてはいない」はずである。早急にこの裁判を徹底的に調査し、戦犯の罪科が「正当か否か」を確認すべきである。また公平な立場から戦勝国側を同じ基準で裁くシミュレーションを行うのも効果的であると思う。この問題を明確にすることで戦犯問題と絡めて靖国神社参拝を外交ガードに使えなくする事が今後の対中国政策にとって重要な課題だと思う。 以上の事を踏まえ小泉総理には是非とも8月15日に参拝していただきたいと思う。 (1)岡田英弘『この厄介な国、中国』ワック株式会社2001年 26ページ (2)昭和57年08月27日・第96回国会 文教委員会 第21号 |