「科学技術と方向性」
佐治 圭子
 日本の科学技術の進歩は、めざましく発展し続けてきたが、少子高齢化、環境悪化など、わが国を取り巻く環境の大きな変化により、今後は、長期的視野にたった科学技術の方向性を見直す時期にきているのではないだろうか。

 確かに、20世紀は輝かしい科学技術の進歩をもたらした世紀であった。イギリスの産業革命から始まり、人類は物質的な豊かさを手にした。しかし、同時に共有資源破壊と利益追求による暴力などにより、人類全体の滅亡を危惧する世紀にもなってしまった。

 21世紀の環境問題は地球規模で益々深刻である。日本のような工業先進国の責任は重大であることから、森林減少、オゾン層破壊による地球温暖化を解決するための科学技術の開発こそ、日本が世界で指導的貢献が出来る分野ではないだろうか。例えば、日本がリーダーシップをとった京都議定書で定められている先進国の温室効果ガスを削減すること『COP3(第3回締約国会議)で採択された議定書。

先進国等に対し、温室効果ガスを1990年比で、2008年から2012年一定数値(日本6%、米7%、EU8%)を削減することを義務づけている。』(外務省・地球温暖化問題/京都議定書より引用)である。日本の削減は6%となっているが、すでに日本のCO2排出量は1990年に比べ、8%ほど増えているので、2012年までに14%も減らさなければならないが、このような取り組みは、国内経済に大きなダメージを与えることになり、経済発展の足かせになりうる。また、京都議定書から離脱したアメリカ(一人当たりのCO2排出量世界第一位)や、中国のような急速な発展をしている発展途上国のCO2排出量を削減しない限り、京都議定書が発効されても意味を成さないと思われる。しかし、地球規模の環境破壊は進んでいるのである。経済の衰退を恐れるばかりではなく、省エネ対策や、企業に対しては、国内排出量取引や環境税を課すなど、あらゆる手段を盛り込んだ対策が必要である。

日本の省エネ技術は限界といわれているが、まだまだ発展可能であり、多くの企業が環境負荷低減・環境共生という様々な環境事業を立ち上げている。また、日本政策投資銀行においては、環境格付けをローンに反映させた「環境配慮型経営促進事業」融資制度を創設し、金融面からの取り組みも成されている。

 以上、科学技術が発展し、環境が人工化するなかで、日本は、地球温暖化を解決するために、京都議定書に盛り込まれた排出権取引制度をエコビジネスチャンスとし、新たな科学技術開発を推進することで「経済」と「環境」の両立を実現出来ると考える。

参考文献:外務省HP(http://www.mofa.go.jp/mofaj/