題 「私の考えるリーダーシップ像とは…」−杉浦学長ご講演を受けて−』
氏名 伊藤 裕子
 古今東西、歴史を紐解いていくと常にその時代の要請に応えるようなリーダーが出現しています。有史以来、魅力的なリーダーが大勢いる中で、個人的には、西洋では(1)ローマのカエサル(2)ハプスブルク家のマリア・テレジア、(3)東洋では徳川家康などに特に魅力を感じています。
今回は(3)の徳川家康に焦点をあて、私の考えるリーダーシップ像を述べていきたいと思います。

 我々のお膝元、尾張・三河地区の三英傑、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康は天下統一を成し遂げる過程で、それぞれの役割を実現し、次のリーダーにバトンタッチしていきました。

 では何故、ただ一人徳川家康が長期安定政権を確立できたのでしょうか。
以下に個人的見解を述べさせて頂きます。
 織田信長は混沌とした政局をまとめる方法として、その卓越した情報収集力と強引な武力を合理的に使いました。しかし、その冷静さ故の非情さが側近の猜疑心をあおり、挫折しました。時代のニーズには合っていたのですが、人望と家臣の登用能力が欠けていたのだと思います。
 豊臣秀吉は、上司に仕え、人心を掌握する能力には秀でていましたが、政策は織田信長の意思の延長上に過ぎず、彼独自の発想で行った晩年の朝鮮出兵などは時代の要請を受け止める感覚が欠如していたと言わざるを得ません。

 では、徳川家康の場合はどうでしょうか。
家康は、天下統一を唯一「一人の無辜(罪の無い人)を殺すことなく」実践したのです。関が原の合戦後、下った敵にチャンスを与える寛容さは、味方のみならず、再雇用の機会を得た人々(旧敵方)に希望を与えました。これは結果として、能力を超えた労働力の確保と、徳川家に対する忠誠心を植え付けることに役立ちました。

 そしてなによりも家康の特筆すべき点は、目的を達成する過程で「徳」を実践したことにあると思います。
「徳」・・・(1)道を悟った立派な行為 (2)神仏の加護(広辞苑より抜粋)

家康は、また大変信心深い人であったと伝え聞いています。
この総ての要素を兼ね備えていたからこそ時代の求める真のリーダーとなったのだと思います。

 結論として私の考えるリーダーシップ像とは、
1.徳の備わった人。
2. 時代の要請を受け止める感覚を持っている人。
3. 先を見通して、物事を実行し継続していくことの出来る人。
4. 登用能力−人の能力を引き出していける人(明るい人)。

だと考えます。