| デジタルデバイド解消のための政治的なアプローチについて 深貝 博司 |
| 棚橋大臣の講演においては高齢者層におけるデジタルデバイド解消のための政府の方策に関してもう少し具体的に聞きたかったという感がある。何故なら、高齢者層のデジタルデバイド問題は政治的なアプローチにより解決しなければならない局面を迎えていると思うからである。 これまでに民間の側からの解決のアプローチとして、テレビでのインターネット利用を可能にする機器の開発・Lモードの投入・高齢者向けのインターネット講座の開設などが行われてきたが、高齢者層の傾向として顕著な情報機器に対するアレルギーを根本的に解決するには至っていない。 今まで以上に操作が簡易で安価な端末の開発など、更なる民間の努力も当然必要ではあるが、高齢者層の情報リテラシーの水準を上げるためには、政治努力によりインターネットを利用する「必然」を作っていくことが必要ではないだろうか。 その具体策としては、過去に自治体による全戸へのパソコンの無料配布の例があるが、インフラとしての情報端末の配布・インターネットによる広報活動の推進・選挙におけるインターネットによる投票の実施などが考えられると思う。 情報技術を万人が利用できる水準のものにし、行政サービスを情報技術を用いて提供することによってデジタルデバイドによる社会参加の機会縮小の回避が可能となり、延いては高齢者福祉の向上や行政コストの削減といった副次効果も得られるのではないだろうか。 今後の一層の高齢化社会の進展や、インターネットへのアクセスによる情報リテラシーの水準が未だ決して高いとは思えない団塊の世代の近未来の大量退職の状況を捉えるに、政治的なアプローチによるデジタルデバイド解消のための対策は急務であると思う。 高水準の次世代科学技術を創造し、技術競争力を向上させることはわが国の富の源泉であるとは思うが、創造したものを活用できる環境を並行して整えていくことも政治に課せられた重要なテーマではないだろうか。科学技術の創造はあくまでも人々の暮らしを豊かにするために推進されるべきであり、特定層の社会的な疎外を生むものであってはならないと思う。 以上 |