| 与謝野 馨氏の講演を聞いて 高桑敏直 |
| 自由民主党政務調査会長という要職にある氏の生の声を初めて聞く機会であった。氏の話しは国家財政問題や国民負担率、消費税税率の問題等、多岐に渡り、それにしては時間が少なくもったいなかった。そのような豊富な内容から、ひとつ気になる話しがあった。『行為責任』と『結果責任』のことである。行為責任の説明には故三島由紀夫氏の言葉を引用していた。盾の会の設立は、設立することに意義があり、その後の結果については責任は負わないという説明を三島由紀夫氏から聞いたとのことである。翻って政治家である与謝野氏は、政治家である以上、政策決定後の推移についても責任を負うとの説明であったが、果たして現在の政治家でこの結果責任について普段より心がけている方々が何人いらっしゃるであろうか。 現在噴出している外交問題について見てみると、対中国、対韓国、対北朝鮮政策についてここ数年担当してきた関係大臣経験者たちは結果責任を負うかたちで今をお過ごしとは思えない。拉致被害者の会の反対の意向に逆らい、北朝鮮に国民の税金で50万トンの米を送った時の外務大臣は今、衆議院議長の要職にある。結果、日本国と北朝鮮の関係は改善されたのだろうか。朝鮮銀行破綻時に日本国民の血税投入を強く推した方も今引退し悠悠自適の生活を送ってらっしゃる。結果はどうであろう。日韓ワールドカップ開催時にスタジアム建設費用に喘ぐ韓国に7000億円をくれてやったのにも関わらず、現在の日韓関係がある。対中国ODAや首相の過去への謝罪等、外交行為については如何なものか。捜すまでも無くいくらでもそのような例が上げられる。おおよそ結果責任を負うかたちで政治家としてケジメをつけられた方が何人もいようものなら、国会議事堂はその内誰もいなくなる。氏のお考えは政治家としての心構えを訴えたかったのであろうが、日本国内のみならず海外に目を向けても結果責任を負う政治家は見つけることが簡単にできないのは私だけではないであろう。 批判がましいことを述べたが、現小泉政権には大いに期待している。首相は多くの困難な問題を国民に知らしめた。ハンセン病、ODAの在り様、今の日本の国際的位置付け、少子高齢化社会問題、年金、マスコミ報道の在り様、郵政、そして改憲…それらの内外の国家の重要課題は、国民が今まであまり関心を持ってこなかったあるいは忌避をしていたものだ。それらを白日の元に晒し、国民につきつけ、考えさせた首相の存在感は大きい。小泉首相の任期期間は今後の日本の在り様の礎となる。外交問題等は結果責任を負うのは難しいが、長年放置されてきたハンセン病患者を開放したことは結果責任において大いに評価できるものであり、それらの実績において大いに期待できると考える。 |