| 「少子高齢化社会の社会保障」 佐治 圭子 |
| 21世紀の人口の世界動向を見ると、高齢化率の上昇は、先進国だけでなく、発展途上国においても急速に上昇している。中でも、日本は、21世紀初頭には最も高い水準となると推定されている。『高齢者人口は平成32(2020)年まで急速に増加し、その後はおおむね安定的に推移する一方、総人口が減少に転ずることから、高齢化率は上昇を続け、27(2015)年には26.0%、62(2050)年には35.7%に達すると見込まれている。』(平成16年度 高齢化社会白書より引用)また、女性の晩婚化・未婚化などによる出生率の低下は、日本社会にどのような影響を与えるであろうか。 確かに、日本は、社会保障制度により、病気や貧困を克服し、一定の水準の生活が保障されるようになった。しかし、少子化が進み高齢化率も年々上昇していくことから、今後も安定した国民の生活を保障することは難しいであろう。 少子高齢化が進むと労働人口が減少し、年金・医療・福祉における社会保障給付費の増加を招き、国民の負担は増大する。特に現役世代の負担は大きく、一人当たりの所得が減少する。これでは、世代間扶養を基本とした社会保険の仕組みを維持は出来なくなるのではないか。その表れとして、国民年金不払いが問題となっている。この背景に、日本経済の悪化、リストラ問題、ニートなど様々な社会構造の変化、そして、社会保険庁などの相次ぐ不祥事がある。特に社会保険庁の国民の年金の無駄遣い、金銭登録機の随意契約を巡る汚職事件や、現金や高級腕時計の贈与などの不祥事が相次いで発覚し、さらに、総額6億円にのぼる監修料のプール金を組織ぐるみで行っていたことが明るみに出た。これでは、未納者が出ても当然であろう。しかし、社会保険庁は、強制徴収に向けた財務調査を経て差し押さえを実施している。自らを改めず、年金納付率をアップさせることしか考えていないのでは、国民の同意など決して得られない。国民の大切な公的年金の財源を安心して運営してくれる組織に改革されない限り、今後も年金未納者は増加し、豊かで安心出来る老後の実現はありえない。まずは、与謝野政調会長の講義で学んだ、社会保障費の悪用をなくし、財源を確保することが重要である。そのために、国及び地方自治体は財政に対する危機感を持ち、どこを倹約するかを見極めた行政改革を行い、成長政策という財政再建を実現しなければならない。 以上、少子高齢化という人口構成の変化の影響は、社会全体に及ぶが、非労働人口の就労や男女共同参画の実現(子育て支援など)に向け、国、各自治体、企業などが社会的支援をすることで雇用システムを作り上げ、日本社会の活力を維持することで、豊かで安定した社会を構築出来ると考える。 参考文献:「高齢化社会白書」平成16年度版 内閣府 |