「非行少年」の増加と「幼児教育」について
井戸田いく男

 最近、特に少年による深刻な非行が目立っている。そして、少年の人口に占める検挙、補導比率は増加の傾向である。犯行に至る理由、動機が不明瞭で、国民に理解できない事件もあり、また、その対象が少年、少女に向けられるという痛ましい凶悪な少年犯罪の発生である。これらの非行は、学校の教育現場、地域社会での子供たちへの対応の必要性も大切な要件である。しかし、その前段での幼児期での子供に対しての「育児」の仕方と、幼児への対応が成長した少年の「心の育成の過程」が社会生活に大きな影響を与えると考える。従って子供の「心の成長過程」で、社会的責任と善悪の分別を教えるのは家庭の責任であるとの自覚が、子育てには必要である。世間に言う「育ちの良し悪し」の事である。非行問題は、「本人の自覚の問題」、「交友関係の悪さ」などの指摘も言われるが、これも、「親の放任、猫可愛がり」などで、親が社会生活での善悪のしつけ(教育)を子供にして来なかった事に起因する。教育現場では、個人主義と人権問題もあり、PTA等との関係もあるが、身勝手な振る舞いをして他の生徒の正常な授業の妨げとなっても、教師は児童を叱ることが出来ない。知育に偏り、教師の権威の失墜でその無力感を感ずる。そして国の財産の子供の幼児期の育て方が現在の課題としてある。男女共同参画社会は、女性の社会的地位の向上と社会参画を主として、その実現には、夫婦の理解で家庭との両立が重要であるが、その中でも健康で、健全な子供に育てる基礎を作る幼児期の「心の教育(仕付け)」の重要性がある。これは、幼児期に影響を受けやすい潜在意識の形成過程での育児期の幼児への対処の仕方の問題でもある。

 個人主義、(社会的責任もない)個性の重視や、核家族化で「家」の概念の喪失や「地域の絆」も薄くなっている。幼児期を通じて、社会経験豊かな祖父母
から学ぶ機会もなくなっている。昔からの郷土の文化、伝統などや、思いやりの心や情緒が育たない一因となっている。
 幼児期の心(人格)の形成過程では、両親の子供への愛情とスキンシップが大切である。時代の要請で、保育所、託児所の充実も進められている。母親と同様な愛情と、幼児に適切な対応が出来る保育士の養成も必要である。また、幼児を持つ母親への適切な育児教育(辛抱させる事も含め)の助言制度の充実や、幼児と接する時間を長くする等の女性の働き方も制度として考慮の余地が
ある。

 情報化社会を迎えた現在、その情報を活用、制する者が社会での勝ち組になると言われる現在、特に、ネット社会での情報の氾濫は、様々な形で子供たちに影響を及ぼし、その情報や出来事が子供たちの人生形成に、特にその情報のマイナスの面が表面化し、社会に影を落としている。学校教育を含めての氾濫する情報の使い方も早急な検討課題である。