題 :外交カードとしてのミサイル発射基地爆撃計画
氏名:松本卓久
■自衛隊による北朝鮮ミサイル基地攻撃
 「現在の自衛隊に北朝鮮のミサイル発射基地を攻撃させる事は、神風攻撃を命ずるに等しい」。石破議員の言葉が心に残りました。

 現在日本と北朝鮮の間には拉致や核問題等の、容易に解決できない問題が残されています。特に弾道ミサイル・テポドンミサイルの存在はそれまでの日本の国防体系を大きく変えるものでした。そのため「日本の安全の為に北朝鮮からミサイルが発射される前に発射基地を叩くことが最も有効だ」という意見が少なからず存在し、石破議員のこの発言はそれらに対しての見解だと思います。

 実際に平成17年4月15日の衆議院 にて当時の大野防衛庁長官が「北朝鮮基地の攻撃を防衛庁が94年に研究していた事」を認めています。ただ、当時は使用想定機種がF4要撃戦闘機とF1支援戦闘機であった事から有効な攻撃が確実に行われないという結論に達し、この作戦は幸運にも実行されませんでした。

■予測の困難な北朝鮮の国情
 北朝鮮との関係改善にはまず外務省が国益を第一に考え、同時に北朝鮮側の国益も考慮しつつ粘り強く交渉を続けることが必要です。
しかし北朝鮮側の国家体制はその国内事情により予測が難しい状況にあります。過去のクーデター未遂事件に見られるように体制が崩壊し大混乱に陥る可能性もあります。また現体制を転覆させる引き金として反体制側が日本へ弾道ミサイルを撃ち込む可能性も考えられます。

 日本国内では「北朝鮮に対する経済制裁」が議論されています。これは武力を用いない手法ですが最も危険な手段です。戦前の日本に開戦を決意させた要因の一つは米国を中心とした国々の経済制裁でした。経済制裁は被制裁国家自体を暴走させる可能性があります。

■経済制裁よりも具体的な日米共同作戦立案を抑止力に利用
 上記の事柄を考慮すると、まず現在進行している「弾道ミサイル防衛システム」の完成が急務です。それと同時に米軍との共同作戦立案も交渉のカードとして具体的にすべきであると思います。

 ミサイル発射基地攻撃の最大の脅威は防空システムです。現在の自衛隊機では特に有効な対抗策を備えていない為、防空網を突破する為にはいわゆる「神風攻撃」を敢行する必要があります。従って防空網制圧専門の部隊である青森県三沢に駐留する米空軍「ワイルド・ウィーズル 」部隊との連携が不可欠となります。白神山地等の山間地を利用した米空軍の演習は対北朝鮮攻撃を念頭に置いていると思われます。日米間に具体的な作戦立案が存在すれば日本と武力衝突をする可能性を備えた国家にはそれが大きな抑止力となり得ます。

 経済制裁はこの軍事作戦の立案より世論に対しては説得力があるかもしれません。しかしそれは一度発令されたら取り返しがつかない危険性を備えていることも確認すべきです。そのためにもわが国は「弾道ミサイル防衛システムという『盾』」と「日米合同ミサイル基地攻撃という『矛』」を北朝鮮に明確に示し両国問題は武力では決して解決しない事を理解させる必要があると思います。

平成17年4月15日:衆議院安全保障委員会―7号
敵地攻撃の際、地上の敵が発する捜索、誘導電波を補足し、レーダーサイト等を破壊し制空権を獲得する任務の事