竹中平蔵氏のご講演を拝聴して
若宮 孝子
 今般の総選挙は、郵政民営化を主眼とした選挙となった。結果、周知のとおり自民党の圧勝、つまりは、郵政民営化賛成多数であったとの見解ととれる。
竹中氏のお話の中で、郵政民営化反対の意思を表す選挙区に対して「刺客」とも言われる人材の登用があったが、メディアでしか内情がわからない国民にとっては、小泉首相の画策としか考えられない。官邸で行われている真実は、国民にとってメディアでしか伝えられず、必ずしもその情報は確かではない。「生の声が聞きたいだけ」という私の当大学院への入学動機は、この点で大いに満足している。但し、本音(真実に近い?!)を耳にすればするほど、今回の郵政民営化の500頁にもわたる法律案についても、抜粋ごときの説明では不透明な部分が多く、実際にその法律案を見てみないと合点がいかない。

 今般は、郵政、貯金・保険を半分にして、2万人の従業員の首を切る計画らしい。「まず民営化」を合言葉に政策を進めているようである。竹中氏のこんな言葉が印象的だった。「本当に何がいいのか、常に問いかけていかなくてはいけない。」この言葉に、竹中氏の揺ぎ無い心情が感じられた。この意見には、私も同感である。この国を維持していくため、つまりは、国民の生活を守るためには、どのような政策が望ましいのか。首を切られる郵政省の方々が一概に皆不幸になるとは限らない。経済は生き物である。安定的な世の中こそが、安心できるくらしの礎になるであろうと考えるなら、今の現状をきちんと見つめ、把握し、将来に対する政策を考える必要があり、今を先延ばしすることは、未来をも遠くにすることであると考える。民営化することによっての「小さな政府」の実現は、国全体の財政を縮小することにも繋がるが、危惧せざを得ない部分として、財政赤字の解消があろう。縮小した結果、その赤字の解消に繋がるとは、考えられず、どちらにしても国民の負担増になることは明らかである。従って、国民に協力と理解を仰ぐためには、政府の説明責任を果たすことがあげられよう。

 一国民として、税金を含む各種負担は、目に見えない物への転換だけに、どんな金額であろうと重く感じる。快い納税等には結びつかない。郵政民営化を突破口とした今後の改革に不安を感じながらも、「よりよい国」になるための政策であろうと考える。何も出来ない・変えられない私にはこんな感想以外言葉にできないことが悔しく思われる。