| 竹中平蔵大臣の講演を聞いて 高桑敏直 |
| 約780兆円の我国の借金、地方や特殊法人の借金を算入すれば、今や1,000兆円を越えるとも言われている。国家予算は約84兆円、歳入の税収はその内の約44兆円で、残りは借金となる。国家予算の10倍以上までに増えた借金は数年で返済でき得るものではないのは、誰しもが想像できる。今、成す べきことは、借金の返済以前の問題。つまり、これ以上借金をしない工夫が必要という氏の意見には充分説得力がある。と言うより、歳出を削減し、歳入を増やすこと以外に財政再建の道が無いことは、誰が考えてもいっしょである。問われるべきは実行力であろう。 政府は国家運営のための経費削減のために様々な方策を打ち出してきた。国会議員の削減に始まり、国家公務員の削減、特殊法人の解体、地方自治体への補助金・交付税の見直し、市町村合併も地方議員・地方公務員の削減に大きく寄与している。国家予算から7割補填される議員年金廃止にも着手した。単なる人気取りと批判する向きもあるが、言うは易し、行なうは難しと言われたこれらの施策はすべて実行されてきていることを評価すべきであろう。 地方でできることは地方で、国家単位でしかできないことのみを国家で行なうという『小さな政府』を目指すというこの国家指針を決定付けたのは氏の持論であり、その功績は多大である。また氏を責任ある部署につけ実行に移した小泉政権の功績はその後の日本の在り方そのものを決定づけ、歴史的にも評価 されるものとなるであろうことも容易に想像がつく。 唯ひとつ、そして大きな問題はまだ明確には示してはいない。それは『どうやって今までの借金を減らすか』ということだ。言いにくいそして今、言うべきで無いことなのであろう。それは国民負担を強いることであり、消費税の税率を上げること、増税であろうことは間違い無い。先進各国に比べ我国の消費税税率が小さいことは過去よりよく指摘されている。そして、国民負担率も小さいことも国民は知りつつある。あと数年もすれば消費税税率を倍増させなければならない国家財政状況になるのも充分想像できる。増税以前の問題として各種の構造改革に取組むことは、隗より始めよという姿勢であり、国民を説得するための方法でもある。歳出を削る各種構造改革を先に進め、国民納得の上で歳入を増やす、消費税税率の見直しをする手法は同時に行なうより説得力が大きく、政府の姿勢も評価できる。 竹中平蔵大臣在任中には、国家財政再建への明確な道標を示して頂きたいものである。以上 |