| 「政治とカネから政治と国民への構造改革」 佐治 圭子 |
| 日本は深刻な財政悪化の状況下にある。バブル崩壊後の国の借金は795兆円(日本のGDP1.5倍近く)を超え、国民一人当たりでは、約624万円の借金をしていることになる。秒単位で増え続けているのだ。郵政民営化法案が成立し、改革ムードに沸いているが、財政再建のための真の構造改革を実現できるのか。 確かに、日本の対外純資産は14年連続世界第一位、外貨準備高も世界最大である。また、日本の企業は大幅なリストラを行い、不良債権を減少するなど努力している。しかし、公的機関は財政の危機的状況を議論しても、国益より各省庁との利害調整重視の政官癒着構造は変わっていない。財政再建とは、プライマリーバランスの回復である。内閣府は2012年までに回復すると楽観的にみているが、増え続ける国の借金を止めることは大変難しい。現在の日本の長期ソブリン格付けはAA−(スタンダード&プアーズ)と低い水準にあり、国際的な信用を失ってしまった。今こそ、政府が歳出の無駄をなくし、弱体化した社会システムを再構築しなければならない。高度成長期の負の遺産を生み出した日本の社会背景に何があるのか、国民はその存在を見逃してはならない。 竹中平蔵大臣のご講演で、「特別会計」について「母屋でおかゆをすすっているのに、離れですき焼きを食べている」と塩川正十郎氏の例え話をされた。大変分かり易く、竹中大臣の改革への強い意欲を感じた。郵政民営化を突破口として、「小さな政府」の実現に取り組み、歳出削減のため、特に予算の無駄遣いと指摘されている特別会計を、国民に分かり易い仕組みに見直し(情報開示など)、歳入・歳出の構造の合理化を図るべきである。(1)政府系金融機関の統廃合(2)公務員総人件費の削減(3)公共事業の削減を健全かつ効率的に行うことが重要だ。また、既得権益を撤廃し、小泉首相が目指す「聖域なき構造改革」を実現しなければならない。この大役を果たすのが、総選挙で大勝した自民党であり、大いに期待したい。同時に、国会議員の意識改革も必要だ。ニュース番組に出演されたある国会議員(引退後)は、毎月貰える国民年金の金額をまったくご存知なかった。また、記者が議員年金について質問を続けると、すごい剣幕で「人間は平等ではない・・(以下省略)」と記者を一喝。財務相を経験された方の言動とは思えなかった。財政構造改革は重要だが、それ以前に国会議員自身がモラルを持ち、国民に近い存在となることが急務である。 以上、国民は郵政民営化が不可避であること知り、法案は成立したのである。歳出削減のため、安易な増税だけでなく国民が納得できる財政再建のための税制議論を行うと共に、国会議員の意識向上を進め、常に国民の視点に立つことで真の構造改革への道筋が見えてくると考える。 参考番組:「たけしのTVタックル(テレビ朝日) 2005年10月17日」 :「日本テレビ系列 ニュースプラス1」 2005年 |