| 題 :政策金融機関は民間と首相直轄に。 氏名:松本卓久 |
| ■政策金融機関は機能別に2機関へ統合 大東亜戦争後、日本を金融面から支えた政策金融機関。経済も発展し民間金融機関のフレキシブルな活動が可能となった現状に於いてはこれらを時代に即した組織へと再構築する必要性が出てきました。 小泉首相は現在の8機関を一つにまとめる案も考慮されているようですが、現実的に考えると「民間に移行しやすい国内向け」と「国益が絡む外国向け」の2機関に分けることが妥当だと思われます。特に国際協力銀行に関しては金融機関としての組織改革のみならず、より国家戦略に則した審査能力を備えるべきだと思います。 ■国益を損ねた中国ガス田への資金融資 平成8年8月9日付の旧日本輸出入銀行のプレスリリース に東シナ海の海底パイプラインに対し中国人民銀行と総額1億2000万ドル(約130億円)の貸付契約の調印が公表されています。前年の平成7年、すでに将来問題となるべき事件が起っておりました。「国務院地質鉱産局上海地質調査局に所属し、これまで東シナ海の石油の試掘を行なってきた石油試掘リグ勘探3号が、わが国海上保安庁の作業中止命令を無視して、日本側の海域に少し入った地点で試掘を開始し、翌年2月中旬試掘に成功」 という事件です。1969年と70年の国連の海洋調査による豊富な埋蔵資源の公表以来、中国は尖閣諸島を中心とした地域に対し調査を開始しておりました。ところがこの微妙な状況下に当時の日本輸出入銀行は開発資金を提供。これは日本の外交政策と対外政策融資が各監督官庁の縦割りにより重大な情報を共有しなかった為に起こった弊害と考えられます。経済産業委員会 で野崎政府参考人(国際協力銀行理事)は「95年当時、中国が春暁での試掘に成功していたことは存じておりませんでした」、「本件融資に当たりましては、政府の資金協力計画のもとアジア開発銀行の協調融資ということもございまして、中国・上海地区のエネルギー需要緩和、それから環境改善効果が高い案件として、融資対象としたものであります。財務省とは一般的な協議をいたしたものでございますけども、他の関係省庁との協議は、その時点では行っておりません」と多額の資金を金融機関として独断で実施した事を証言しています。 ■国益に直結する機関は首相直轄へ 膨大な埋蔵資源と上海地質調査局所属調査船の確認という事からだけでもこの資金提供が将来どのような結果を導き出す事はある程度予測ができたはずです。この案件に関して内容は国会にも全く報告もされませんでした。これでは政府が中国にいくら抗議しても「元来は日本の援助を受けて始めた事業なのに今更何を言うのか」と言われても致し方ないかもしれません。今後は二度とこのような事がないように外国向けの政府系金融機関は国益にかなった融資ができる能力を備えるべきだと思います。そのためには組織改革を早急に完了させ効率化を図とともに首相直轄機関として位置づけられるべきだと思います。 「中華人民共和国の海底パイプライン敷設プロジェクトに対する融資について」 http://www.jbic.go.jp/japanese/base/release/exim/1996j/nr96-15-j.php 「進展する中国の東シナ海石油開発と海洋調査」 平松茂雄 杏林大学教授 http://www.cnfc.or.jp/j/proposal/asia00/hiramatsu.html 平成17年2月23日 第162回衆議院経済産業委員会 |