題 :天野誠一氏の講義をふまえて:今後の新聞社の姿
氏名:松 本 卓 久

■「不変・不敗のオピニオンリーダー」
  新聞は我が国においては最も信頼が置ける一般国民の主な情報源でした。「言論統制下のマスコミ暗黒時代」として引き合いに出される昭和20年8月15日以前の日本に於いても軍部と並び強力で国運を左右する存在であり続けていた事は決して否めません。例えばコミュンテルンの指示で日華関係を混乱させ対英米戦争に駆り立てた尾崎秀実も「信頼できる朝日新聞」の敏腕記者であったという社会的信用があったからこそ近衛首相のブレーンにまで辿りつけたのだと思われます 。また「南京入場一番乗り」として知られている当時の東京朝日新聞上海支局次長橋本登三郎氏も報道規制について「何の不自由は感じていない。思ったこと、見たことはしゃべれたし、書いていたよ」 と新聞が国民に対し情報を伝える役目を果たしていた事を述べられています。

 そして朝日新聞をはじめとする多くの新聞社は日本の敗戦後も国民を戦争に駆り立てた責任を全く省みることもなく罪科を所謂「A級戦犯とされた方々」に押し付け、彼らを非難しながら「オピニオンリーダーとして国民をリードする」という姿勢を現在もとり続けています。ただ昨今は度重なる不祥事による信頼度が低下し天野氏が配布データ及び講義で示されたように「新聞には厳しい時代」が確実に到来していると言えると思います。

■購読者獲得の為の記事捏造
 天野氏のデータにもありましたが若い世代が新聞を読まなくなった事が新聞社の将来を不安なものにしているようです。これはインターネットの登場で従来より速く情報を入手可能となった事も大きな要因であると思われます。

 またIT導入などにより新聞各社の経営合理化が進められていますが報道自体はマンパワーに頼らざるを得ないので特に編集局の合理化は容易ではないと思われます。そしてこのような状況下、広告収入減少傾向にある新聞社を支える定期購読料の比重は今後もいっそう増してゆくと思われます。其の為に現状では読者獲得の為の「新聞拡張団による不正営業活動」と「マッチ・ポンプ的な捏造報道の垂れ流し」という不祥事を果てしなく繰り返す負のスパイラルから新聞社が抜け出す事はもはや不可能だと思われます。

■「不偏不党」というスローガンを捨てよ
 今後、新聞社の生き残る道は「公器という看板を捨てる事」だと思います。朝日新聞であれば綱領にある「不偏不党の地に立って言論の自由を貫き」という守りもしない現実離れのスローガンは捨て去り「憲法9条を遵守し封建的日本文化を排し中華人民共和国との友好を基軸とした外交を尊ぶ云々」と公言し、自らの路線を読者に示すべきだと思います。ただ、例えそうであっても対立意見が存在する場合「両者の意見を公平に伝える」というマスコミとしての義務は忘れるべきではないと思います。また「国民の側に立ち官僚制に対抗する」という「階級闘争ごっこ」も即刻やめるべきだと思います。このような事を言っている限り大衆迎合主義の捏造報道による不祥事を何度も引き起こす体質を堅持したまま新聞社は報道機関としての役目を終えてしまうのだと思います。

1.参考「大東亜戦争とスターリンの謀略」三田村武夫著 自由選書 自由社2005年
2.p.39「『南京事件』日本人48人の証言」 阿羅建一著 小学館文庫・M小学館2002年