学長よりのごあいさつ
愛知政治大学院 4月講座
自由民主党元幹事長 古賀 誠 氏 講演
平成13年4月14日

プロフィール
 皆さん、こんにちは。今日は、自由民主党愛知県連主催によります初めてのこうした愛知政治大学院という素晴らしい催しを企画していただきました。その開校式に私もお招きいただきまして、こうして受講していただいております出席者81名の皆様方にお目にかからせていただく機会を得ましたことを、本当に光栄に思いますと同時に、心から喜んでいる次第でございます。

 この政治大学院に21世紀の日本のあり方、又、皆さん方のかけがえのない故郷のあり方、そうしたことに思いをよせて、この愛知政治大学院で学んでみよう、何らかの形で政治に関わっていく人間として、又、この日本という素晴らしい国に生まれたことに感謝すると同時に、自分で成すべきこと、又、成さねばならないこと、そうした夢や理想を政治に関わることによって1つでも多くしたい、そんな大きな思いも皆さんの中にはあるかと思いますが、81名の皆さんが、こうしてこの講座で学んでいただきますことに、私も心から嬉しく思います。と同時に、ご参加いただいたことに、心から感謝申し上げる次第でございます。

 しかし、何と言いましても、このような素晴らしい催しを企画していただくということは、私は大変なことだと思っております。自由民主党愛知県連の会長であります杉浦先生をはじめ、幹事長の山本先生、そして我々の同志の自由民主党の衆・参の国会議員の先生方、何よりも具体的にこの計画を進めていただきました廣瀬様をはじめ、関係者の皆様方にも心からお礼と又、敬意を表したいと思います。私、只今、ご紹介いただきました自由民主党の幹事長を仰せつかっております古賀誠です。

 私のふるさとは、実は、福岡県は三井炭鉱で有名だった大牟田であります。私は学生時代に、親友が中京大学に学んでおりまして、よくこの名古屋で途中下車したものです。私にとっても懐かしい名古屋で、皆さん方にこうしてお目にかかることができて、又、人生の出会いや触れ合いで、私の友達や、又、こうして皆さん方とお知り合いできましたことを私は、本当にうれしく思っております。

 ご案内のとおり、一昨日から世の中、少し賑やかになってまいりました。自由民主党の総裁選挙が始まったわけでございます。しかし、今、(自由民主党の総裁は日本の国の総理でありますが)、国会が開かれている中で政治空白が許されない、そんな状況の中で、「なぜ総裁選挙なのかなぁ」と皆さん方の中で思われる方が多いのではないかなと思います。この時期に、「なぜ森総理が退陣を決意されたか、そして総裁選挙をやって新しい日本の総理を選ぼうとしている。よく考えてみるとこんなことがあっていいのだろうか、本当は、こんなことは許されないのではなかろうか。」こんなことを自問自答しながら、私なりに今度の総裁選挙の持つ意味、又、重要さ、そういったことを皆さんと最初に少し考えることができればありがたいと思っています。

「できるだけ早い時期に自分の進退を決めなければならない。」私は、年明け早々から、実は森総裁ご本人、ご自身がお考えになっていたのではないかなという気がします。ご承知のとおり、小渕前総裁が総理としてのお立場の中で、病に急に倒れられまして、そして森総理が誕生したのは、ちょうど1年前のことであります。私は、忘れもしませんけれども、4月の1日、小渕前総理が、連立、当時の自自公の自自、小沢一郎さんの連立離脱を決せられたのが、4月1日でございました。それから数時間のうちに、実は小渕総理が病に倒れて、順天堂大学の病院に運ばれたんです。「五日後に、国会が開かれる。12年度の予算は成立したけれども、まだその関連法案も沢山残っている。政治空白は許されない」ということで、両院議員の選挙において、森さんが、わが党の総裁として選出をされました。実際に選挙は行っておりませんけど、森さん一人だけの総裁立候補の意思でございましたので、形式的には、両院議員総会の満場一致で、選挙なしで決したのでございます。が、我々は手続きといたしましては、ちゃんとしっかりした党の党則に基づいた選び方をしたと私は思っております。そして、4月5日に森総理が誕生いたしました?そして、九州・沖縄サミット、衆議院の選挙と、昨年も色々なことがございました。しかし、急なトップの交代でありましたけれども、森総理は、わが党の総裁として総理として全力を尽くして頂いたと、私は今でも高く評価いたしております。

 衆議院の選挙では、この愛知県連、それぞれの先生方のご紹介を申し上げる時間がございませんが、皆さん方のご支援を頂きながら、又、自由民主党愛知県連あげてのご協力の中で、「百点満点とは、ちょっと言えないのかな、もう少し議席がほしかったな。」そんな思いがいたしますけれども、今、ご活躍いただいております両院議員の先生方を選出して頂きました。それは、小選挙区、比例代表の先生方、今、自民党の党務に、そして又、政府側にあって、いろんな形でご活躍いただいております。そして、自民党は、233の議席しか確保できませんでしたけれども、連立与党3党で、絶対安定多数の271議席を確保いたしました。私は、森総裁は、立派に選挙戦、戦って頂いたと思います。

 そして、20世紀から21世紀という新しい世紀を迎えました。そうした中で、大変残念なことでございますし、遺憾なことでございますが、KSD事件をはじめといたしまして、外務省の機密費の問題だとか、いろんな問題が続発いたしました。決して、森総裁の責任だけではありません。私も自由民主党の幹事長ではございますが、「古賀誠の責任は重い!」と責任を問われても、まったくその通りでございます。党を預かっているだけに、森総裁の責任よりも重いのかもしれません。しかし、考えなければいけないのは、なぜ、そうした国民の皆様の政治の信を損なうような不祥事が、わが党の中で、多く続出してくるのかということで、自由民主党という政権政党だからこそ「誰が悪い」、「この人が悪い」と言う前に、自由民主党に所属する国会議員、政治家自らの、自己改革としっかりした反省が、私は求められていると思います。同時に、なぜ自民党に所属する国会議員にそのようなことが起こるのか?、党の組織のあり方とかシステムとか、そういう所に問題があるのではないか?そうした党の新しい再生というものは、根本的に、基本的に考えていく必要があるのではないか?自由民主党に属する衆・参の国会議員の皆様方がそれぞれの思いの中で、必死になって努力してみよう。お互いに議論し、お互いに論議し、そして新しい自民党のあり方というものを、この際、作り上げていこう。私たちは本当にこんな気持ちになっている訳でございます。当然、政治家にとって一番大事なのは、政治倫理であります。特に、政権政党の政治家でございますから、我々が倫理意識に徹していくということは、当然でございますけれども、党の改革や、そして又、それぞれの自己改革や反省の中に立って、今、必死になって、そのあり方について、私たちは考えている。そういう決意をいたしている。その先頭に立っていただいたのが、私は、森総理であり、森総裁であったと、この度の総理のご決意に実は、思いを寄せている一人でございます。

 小渕前総理総裁が、まず心がけられた最大で最良の案件の一つに政権の安定と政治の安定を挙げられたことは、私たちはあの当時の政治状況をみれば、当然のことだったと思います。小渕前総理が誕生致しましたのは、3年前の参議院選挙で残念ながら自民党が大敗いたしまして、参議院で議席を過半数に割り、衆議院では自民党が過半数の議席を単独で確保いたしましたけれども、参議院でねじれ現象を起こして国会運営に大きな支障をきたす、そんな状況の中で、小渕前総理が誕生いたしました。

 我が国の経済も、そして、様々な分野で解決していかねばならない課題も大変多く抱えておりました。とりわけ、バブルがはじけてそして長い経済の低迷の中で、ちょうど小渕内閣が誕生した時には、金融機関そのものが、危機的状況の中にありました。まさに、日本からアジアの恐慌を引き起こすんじゃないか、世界恐慌の発進は日本からじゃないか、そんなことが心配された、実は大変危険な状況にありました。そういう中で、小渕総理が誕生して、実は、金融システムの安定のための法案の審議に入りました。野党と真っ向から対立し、衆議院では成立するけれども、しかし参議院での成立のメドがないかぎり、経済の再生に一番必要なこの法案1本挙げるのに、50日も、60日もかかるという状況でした。小渕さんが、政権の安定、政治の安定が今、一番必要だと痛切に感じられたのは、私は、至極もっともな事だったと思います。

 平成13年を迎えましたけれども、平成元年の時、元号をお作りになられた、その時の総理は(亡くなられましたけれども)、竹下登先生です。それから平成13年、13年間の間で森総理が10人目の総理でございます。「えっ!そんなに変わってたかな」と思われるかもしれませんけど、確実に10人目なんです。平均いたしますと、総理大臣の寿命は1年数ヶ月だということです。これだけ難しくて山積する諸課題の中で、トップリーダーがこういう国を創っていく、このように国民の皆さんに約束したことを実現していく。そうした責任を負わされている中で、平均いたしまして1年。「これでは、どんな能力のある、どんな立派なリーダーシップを持っている方でも自分の考えを実現するということは、容易なことではないな」(と私は思いますが、)しかし、それが現実だったんです。だから、21世紀の最後の10年、バブルがはじけて政治が混迷し、経済が低迷し、「失われた10年」と私はよく表現させていただきますが、この「失われた10年」の中で、さらに新たに「失われた20年」にしないためには、何が一番大事か、小渕さんがご就任になって、あの金融システムの法案を審議する中で「やっぱり政権が安定しなければならないんだ!政治が安定しない。政権が安定しない。難しい諸課題が山積している。国民の期待に答えることができない。21世紀の日本の未来を切り開くことができない。様々な不安と不透明の中で、国民の皆様方の21世紀という世紀は大丈夫なんだろうかという思いを不拭し、21世紀に期待をもって頂けるような国民の皆さんの生活像というものが出来ていない。」そう小渕さんは思われたのだろうと思います。当然のことであります。1年数ヶ月で総理大臣が変わる。こんなことで外交の継続性はもちろん、国益を守ることができるのであろうか。外国の要人に、日本の総理大臣と握手して、はじめてお目にかかる時に「はじめまして」と言うかわりに「グッバイ、さようなら」と言われなければならない。こういう状況であります。そういう中で、政権を安定させようということで、当時の自由党さんとの連立を小渕さんのリーダーシップのもとで成立させることができました。そして、さらに参議院で安定するようにということで、様々なご批判や、又、ご意見がございましたけれども公明党さんとの連立与党で、3党の枠組みをご決断されたわけでございます。そうした思いの中で、小渕前総理は、あまりにも早すぎるトップリーダーの死ではありましたけれども、森総理に繋がれたのでございます。だから森総理にも、様々な政策の継続性を保つため、小渕前総理のお考えをしっかり繋いで頂く努力を頂きました。小渕さんの思いを自分が守っていかねばならない。全責任をもって、とりわけ政権の安定と政治の安定に自分も使命を果たしていかなきゃいけない。私は、そんな思いが森総理にはお有りであったと思います。残念ながら、様々な不祥事の中で、何か全部、森総理が悪い、森総裁が悪い(と言われていますが)、私は「マスコミさんにも責任あるんじゃないかな。我が党の中にも、私たちは反省することがあるのではなかろうか。いや連立の中でも、今考えてみると、いろんなことが反省させられることがあるのではなかろうかな」と思います。

 しかし、森総理は、「もし私が総裁総理の座にいることによって、自民党の、そして、連立与党3党の政権の安定と政治の安定にマズイことがあるとするならば、身を挺して、自らの決断の中で、自民党を新しく再生したい、そして更に政治を安定させたい。(そうしなければ)21世紀の日本の未来を明らかにすることができない。」そういう思いがお有りになって、森総理はこのようにご決断になったと私は思います。党を預かるものとして、ちょうどその最初のお話を私がお聞かせ頂いたのは、3月10日でございました。その時は、党の5役、幹事長、政調会長、総務会長、参議院の幹事長、そして議員会長をお呼びになって、自分には、いつでも身を挺して党を新しく改革し、政治の安定のために覚悟ができている。しかし今、総理としては、大事な13年度の予算編成が急がれなければならない。関連法案も大切だ。そして、日本の景気がやっと上向いてきたかな、少し明るさが増してきたかなという時に、アメリカの予期せぬ経済の減速というものが、また日本を直撃し、株価が不安定になっている。そうした中で緊急経済対策をしていく。そうしたものにしっかりとしたメドを立てて、改めて皆さんと協議させていただく。総裁というお立場、総理というお立場、そうした中で、私は、お悩みであり、又、ご決断であったと思います。

 そうした思いの中で、13年度の予算や予算関連法案や緊急経済対策法案をお求めいただけました。そして早速、総裁選挙の準備に入りました。「もし自身の身を挺して、辞めることにより党改革が進み、政権の安定と政治の安定に一番大事な当面の参議院選挙、勝ち抜くことができるなら、総裁選挙の準備、日程、方法、お任せいたします。」こういうお話でしたので、役員会でどういう総裁選挙にしていかねばならないか、どういう自由民主党の改革を国民の皆さんに明らかにしていくことが出来るのか考えて、今日まで参ったわけでございます。

 おかげさまで愛知県連の山本幹事長は、全国の都道府県連の幹事長会議の、いわばまとめ役で副会長をして頂いております。ずいぶん議論させていただきました。まず、総裁選挙のありかたについて。本来でございますと、総裁が任期途中でお辞めになるわけでございますから、我が党所属の衆・参両院の国会議員と都道府県連代表者1名で、実は選挙をやることになっています。党員や党友の皆様にはもちろんですけれども、国民の皆様方にも開かれた自民党の総裁選挙が求められている中で、「党が新しく改革してスタートしましょうという時に、今までのような党則に縛られた選挙になると、これは、もたないな。」私は、率直に思いました。

 それでは都道府県連の代表者の票を増やそう。2名にするのが良いのか、3名にするのが良いのか。我が党所属の国会議員は、今346名でございます。都道府県連が47でございます。「どの辺がいい所なのかな。勇気のいることだけれども、よし!思い切って3にしよう!」と、まず3名と考えさせていただきました。都道府県連の幹事長には怒られました。特に、山本幹事長は、おっかない。「なぜ3名だ!その根拠を言え!」こんなことから議論が始まりました。「4名にしよう!いや、衆議院の小選挙区の300にしよう!」いろんな議論がございました。その議論の中で一つ「なるほど、これは素晴らしいな」と思ったのは、「都道府県連ごとに、今度の総裁選は予備選をやるんだ。県連ごとに党員・党友の参加の中で自分たちの考えを明らかにしていこう」という議論が、実は出ました。私は、正直言って、それに飛びつきました。こういう用件を本当に認めるかどうかというのは、本来しっかりした政治制度改革本部などで議論しなければいけないのかなという思いもありましたが、「エーイ、いいや!」と思い、「この機会だから、思い切って開かれた総裁選挙にしよう!」ということで各県連に「それは、いい考えです。是非、やって下さい」と、こういうことでむしろ、各都道府県連の主導の中で、党員・党友参加の選挙というのは出てきたんです。それで私は、いい案だから一つ乗っていく、是非ひとつ実行して行きたいと思って、しかし、県連代表は3名ということで、何としてもお願いしたいということで決めさせていただきました。

 しかし、これは考えてみますと、大変、大きなことなのです。なぜかと言いますと、都道府県連での党員・党友の予備選の結果を受けての3名の方々の投票の決め方というのは、各県連に委ねております。例えば、1番になって3名の方々が全部、総取りで入れる、そういう都道府県連がほとんどです。中には、過半数を取っていなければ、1番の人に2票、2番の人に1票入れるという県連も1つ、2つありますが、ほとんどが、総取り制です。そうなると、地方の声というのは、ただ単に代表が1名が3名になるだけではなくて、大変、大きな声として反映されるという仕組みになっている。結果として、そうなった。私は、これは大変、大きなことではないかなと思っています。そういう中で、新しい党員・党友の参加できる任期途中の選挙でも、県連主体で、かなり開かれたオープンな総裁選挙になったことを私自身、大変喜んでいる一人であります。

 もう一つのキーワードは、総裁選挙に立候補していただく方々。今回、いくら公開された良い方法を決めましても、立候補がなければ選挙にならないということは、当然のことでございます。「これで選挙にならなっかたらどうしようか、皆で党改革ということを考えていく中で、何人の方から手を挙げて頂けるののか」ということを私なりに不安と、しかし一方では期待で、この数日間を見守って参りました。4名、わが党の総裁選挙に立候補していただくことが出来ました。過去、何回か戦われた方、新しく出た方2人。私は、いいバランスではないかなと思っております。一人も出られる方がいなっかたら、たった一人しか手を挙げられなかったら、その器でもないけれども、不肖、古賀誠が出なければ選挙にならないなと思っていたぐらいに、思いつめておりましたが、これで恥かかずに済んだなと私は、思っておりました。

 4名の方々が立候補されて、それぞれの政策を、自分の考える21世紀の国家像を、そして国民の皆さんの中の様々な問題を、ただスローガンにするのではなくて、政策として、いつ、どういう形で実現するかという、政策論争が昨日から始まりました。私は、昨日、4名の立候補者の方々のお話を聞いておりまして、なかなか個性のある、そして又、それぞれの持ち味を出して頂いているなと思って、4名の所見の発表を聞かせて頂きました。私は、今度の自由民主党の新しい改革というのは、党員や党友の皆さん方に、「自由民主党はオープンで、できるだけ開かれた党ですよ」ということをお示しすると同時に、ある意味では、それよりも、もっと大切なことは、自由民主党という政党は、国民の皆様方から見て、いかに開かれた党かということを、改めて聞き返していただく。「あっ、自民党というのは、そういう政党なんだ」ということを考え直していただく。見直していただく。私は、そういう知的な視点が大事なのではないかなと思っています。そういう意味では、4名の方々が、党員・党友の皆さんにはもちろんですけれども、一生懸命、自分の政策をテレビで、そして今日は大阪で、明日は東京で、4人が街頭でお揃いにな?て、それぞれ自分の政策というものを訴えていかなくてはならない。国民の皆様に開かれた自由民主党、オープンな自由民主党ということをピーアールできるという意味で、国民の皆様方の自由民主党に対する、新しい視点というものを見出すことができる。そういう意味で期待できるのではないかなと、私は思うのであります。

 もう一つ、4人立候補していただきました。顔ぶれをいちいち申し上げませんが、若い人たちが立候補していただく、その第一歩を踏み出すことができたと思います。本来は、もう少し若い人も出ていただいて5人でも、6人でもいいからやっていただければ、こんな活発な、そして又、期待される選挙はなかったのではないかと思います。残念ながら、4人に留まりました。しかし、その中でも、新しく出られた方々は、それなりに、「これだけの人材がまだ自民党の中にいるんだ」ということを国民の皆様に示すという意味でも、「世代交代が、又、一歩スタート切りましたね。」そんな思いで見ていただいたという意味でも、今度の4名の総裁選というのは、私の思いが叶ってきた総裁選挙になってきつつあるということが言えるのではないかなと思っております。

 自由民主党も様々な改革の中で、一つずつ、しかし着実に、今変わりつつあるし、変わっていかねばならないんだと思っています。又、一方では、自由民主党が政権政党としての自覚と責任を持つということを、党員や党友の皆さん方から求められていると思います。自由民主党は、政権政党であります。よく党内の中で、色々な議論、そして論議が活発に行われております。良いことなんです。素晴らしいことなんです。しかし、同時にわが党の批判と、わが党に対する政権政党としての自覚のない議論というのは、私はあってはならないと思っております。批判に留まることは、これは評論家に過ぎないのであります。理想を言うのは、空論を言うのは、たやすいことでございますけれども、政権政党でありますだけに、その自覚と責任は、常に持っておくということが必要なことではないかなと、私は思っております。パフォーマンスだけで政治をやってはいけない、又、空論だけを、理想だけを言ってはいけない。自由民主党の政治家は、現実政治家として今日生きている人たちに責任を持たなければいけないということ、野党の議員たちとは違うんだってことを、しっかり私たちは、自覚する必要があるのではないかなと思います。それだけに、自由民主党の政治家というのは、政権に関わっていき、政権に参加していく、又、大きな権能を持たされている。だからこそ、国民の皆様方からは、自由民主党に対して、今まで様々な形で応援をしていただき、ご叱責いただいたのであります。今、自民党が変わろうとするときに、政権政党としての自民党の自覚と責任のあり方を忘れず、しっかりとした規範を私たちが守っていくということは大事なことではないか。私はそんな思いを持っているのであります。堂々たる、総裁選挙の中で、この選挙が終われば、挙党一致、結束して、政権政党の自覚と責任のなかで、政権の安定と政治の安定にまっしぐらに進んでいく。これが森総理、総裁のこの度の身を挺してのご決意に報いる道であり、志半ばにしてお亡くなりになった小渕前総理の無念を晴らすことであるということを、私たちは心することであろうということを、この機会に皆さん方にも知っていていただきたいと思います。

 いろいろと、自由民主党に対しても、厳しいお怒りやご批判いただいております。しかし、皆さん方に冷静に考えていただく中で、今、自由民主党、連立与党、それに変わろうとする野党と比較していただければ、お分かりいただけるかと思います。野党4党と言いますか、3党と言いますか。民主党。それから常に改革、改革だけで枠組みを作っては、砕いていく自由党。かってのイデオロギーをまだ引きずった中で社民党という党が、どういう21世紀の日本の未来を切り開こうとしているのでしょうか。その野党3党に、参議院の選挙で連立与党を倒して、政権奪回するんだというのには、その3党にどうしても共産党を加えませんと、参議院の議席の過半数を奪回することはできないのです。今度の選挙で、共産党は15席〜20議席くらい確保されるのではないかと私は思っておりますが、その勢力が一緒にならないと参議院で今の連立与党の過半数を奪回することは出来ないのです。じゃあ、民主党や自由党や社民党が共産党と一緒になったら、日本の国はどういう日本の国になるかという政策を明らかにしていただかないと、選挙の時、どの党が本当に責任を持ってくれている党なのかということを、枠組みが決まらない中で、国民の皆様方に選択をしていただくということは、大変危険である、その選択は憲政の常道に反するかと私は思います。まず、本当に野党が参議院の選挙で、与党3党から議席を過半数奪い取り、政権を奪回していくというなら、まず枠組みをお示しください!共産党も一緒に入れてやるんですね!どうなんですか!そういうことを明らかにしていただけなければならない。その上で、野党が政策合意ができたとするならば、どういう政策を21世紀へ国民の皆様にお約束なるのか。それをお示しいただけなければ、まさに、空論、評論家、無責任なスローガン、そのことに尽きるのではないかと私は思います。それだけに、我々、戦う与党3党も21世紀に対しては、今戦っております総裁選挙よりも、もっと具体的な21世紀のありかた、そういったものをお示しして参議院選挙を戦っていかねばならない、このように思っております。

 よく、派閥のこと、いろんなこと言われますけど、我々は政策があって、そして党利党略ではなくて、派利派略ではなくて、政党は国民のために政治をしている、政党によって国家や国民の運命が、また政権を担う政治家によって、国や国民の幸せが決まっていくということは当然のことでありますから、心してこの党を変えようという時、我々が、皆さん方のお力で国会の中で働かせていただく光栄を責任と自覚の中で、党の再生と自らの改革、このことに全力を尽くしていきたい、このように思っております。

 そうした中で、今日このような素晴らしい愛知政治大学院を立ち上げていただきました自由民主党の愛知県連のみなさん、改めてお礼と感謝を申し上げます。又、ご参加いただいた皆さん、一年間、ギッシリ日程が詰まっているようでございます。高い受講料をお支払いになったということでございますので、その受講料が無駄にならないように、皆さん自らの使命と責任の中で、しっかりと学んでいただいて、今日、お見えいただいている中から、やがて国会へ、やがて地方議員へ、そして首長へと大きな夢を膨らましていただきたいと思います。ただ、そうした栄光を勝ち得るためだけではなくて、生きとし生けるもの、この素晴らしい日本の国やふるさとに生まれた方々に感謝していただくということは、自分に成せるもの、成さなければならないものを、しっかり考えていただくことではないかなと思います。政治に関わっていただくということは、ある意味では一番大事ではないかと思います。今、言ったように、政治によって国と国民の運命が決まる。政治家によって国や国民の生活が変わっていく。そういう意味で、皆さん方が政治に関わっていただくということは、大事なことではないかなと思います。入校していただきました皆さんに改めて感謝とお礼を申し上げ、そうした皆さん方の気概と気迫を心から喜び、そして感謝し、期待し、私のお話を閉じさせていただきます。ありがとうございました。