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2020.01.23

第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を通して「活力のある地域社会」をどのように実現するかの検討
-兵庫県明石市の事例を参考にして-

 本レポートは、前内閣府特命担当大臣である片山さつき先生の講義をもとに、第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を通して「活力のある地域社会」をどう実現することが出来るかを兵庫県明石市の事例をもとに出産・子育てという観点から考えるものである。第2期総合戦略において、基本目標として(1)稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする、(2)地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる、(3)結婚・出産・子育ての希望をかなえる、(4)ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくるの4事項をあげている。これにより、東京一極集中の是正を促進して、活力のある地域社会を実現させようとしている。本レポートでは(3)の出産・子育てに焦点を当てたものとする。

 はじめに、明石市を事例としてあげる理由を述べる。湯浅ほか(2019)よると、同市は13年と18年の住民票の比較において、0~4歳人口増加で全国市町村5位を獲得している。従来、この年齢層を増加させるには(1)都心至近で家族向けマンションがある、(2)ニュータウン開発が継続されている、(3)過疎化が進んだ山間地や離島であったが、同市はこれらには分類されることなく他の地域でも再現性のある政策を取っている。具体的な方針としては、(1)子供を産むことで分かりやすい経済的なインセンティブを与える、(2)安定的で持続可能なまちづくりのため納税者を増やすの2点である。同市は分かりやすいインセンティブとして、2人目以降の保育料、子育て施設利用及び医療費を無料にした。同時に、近隣の神戸市などより比較的住居費が低いことも発信した。特記すべきは、潜在的に移住する層を定め、教育熱心であろう家庭のために、駅前の一等地に従来の面積の4倍の図書館をつくり、本の貸し出し年間300万冊という目標を掲げてアピールを行った。結果、0~4歳人口を増加させるには不利な状況で、全国5位を獲得したのである。

 日本は、急速に人口が減少しており、社人研の推計によると2060年には約9,300万人になるとされており、早急な対策が必要である。本レポートでは、一見すると出産・子育てには不利な地域でも、周囲の市町村との比較優位性を理解して、ユニークな政策を発信すれば人口減少に歯止めをかけ、活力のある地域社会を実現出来る可能性を示した。(1042字)

参考文献

湯浅誠 2019年 「子供が増えた! 明石市人口増・税収増の自治体経営」 光文社新書13-70ページ.


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