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2019.11.22

題  インターネットを活用した選挙運動と有権者の政治参加


 山田太郎先生による講義を受講し、インターネット選挙運動(以下「ネット選挙」という)の現状についての考察を以下に記す。
 2013年4月の公職選挙法改正に伴う、いわゆる「ネット選挙」の解禁以降、選挙期間中も多くの政党や政治家がSNSなどを活用して、様々な情報発信を行ってきた。この解禁は「選挙運動期間における候補者に関する情報の充実、有権者の政治参加の促進等を図る」ことを趣旨とするものであったが、解禁前後の国政選挙の投票率推移を見ると、全体の投票率の低下と同様に、インターネットの使用頻度が高い20代の投票率も、解禁前と比較して低下傾向にあるのが現状である。(今回は参議院選挙を例にとる)
《参議院議員通常選挙における年代別投票率の推移》
全体:2010:57.92%→2013※:52.61%→2016:54.70%→2019:48.80%
20代:2010:36.17%→2013※:33.37%→2016:35.60%→2019:30.96%
※2013.7月実施。公職選挙法改正(ネット選挙解禁)後、初の国政選挙。

 また、講義の説明のとおり、多くの若者が重視する情報媒体がSNSやインターネットである一方で、総務省調査による「投票参加促進広告への接触率」では、「インターネット上での広告(SNS含む)」と答えた20~30代の割合は、8.7%に留まっている。(テレビは36.7%、新聞は17.7%。)
 以上から、解禁から5年以上が経過した現在も、選挙戦におけるネットの活用は、有権者の政治参加促進にまだ十分な役割を発揮できているとは言い難く、今後活用の幅を広げていく余地が大いにあるものと考えられる。
 山田先生は、各SNSの性質や特徴を客観的に分析し、有権者の参加意識を醸成する打ち手を実践することで、54万もの票を動かし、若者が「政治に無関心」ではなく、「政治へのアクセスの仕方がわからないだけ」であることを立証された。「自分が何を発信するか」以上に、「いかに相手のニーズを捉えて効果的に情報を届けるか」を追求することは、ビジネスでいえばマーケティング戦略を立てることと同じであり、選挙とビジネスでフィールドこそ違えど、考えるべきことは同じなのであると痛感した。
 なおFacebookは2004年、Twitterは2006年の創業で、我々が日々当たり前に使用しているスマートフォンの普及も2010年代で、いずれも最近生まれたものである。技術革新が目覚ましい今日、SNSなどのトレンドも日々刻々と変化していく可能性が高い。よって今あるツールの活用を学ぶことと同時に、常にトレンドにアンテナを張り、その時々で適切な情報発信の戦略を立てることが肝要だろう。
 今後はこれまで以上に多様なネット選挙戦略が生まれてくると考えられる。選挙戦を見る際には、候補者のネット戦略についても注視していきたい。

【参照】
・総務省HP
「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」;
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10.html

「国政選挙の年代別投票率の推移について」;
  http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/

総務省選挙部「目で見る投票率」(平成29年1月);
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000365958.pdf




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