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2019.09.17

題 日露平和条約締結に向けて

 松本剛明先生の講演「外交を通して見る政治の責任」を受け、「歴史の評価に耐える」ことは、その時節の評価と必ずしも一致していないと言われました。
 現在、中国の覇権主義が世界に広がっています。中国軍の動きは連日のようにニュースで報じられ、「中国脅威論」が叫ばれて久しいです。自由と民主主義が無くお金と軍事力がある中国に対し、日本の外交が問われています。日米安全保障条約だけで本当に日本の安全が守られるのか疑問です。先月は、竹島周辺でロシア軍の領空侵犯があったとされ、韓国軍が威嚇射撃をした事件がありました。中国軍機も同時に領空侵犯しており、情報によると中露軍の共同軍事訓練があったとされています。中露関係も反日米で深まりつつある感があります。
 もし、本格的にロシアが中国を支援し始めれば、日本は中露両国と同時に敵対せざるを得なくなります。また、露朝関係が強化されれば、背後を固めた北朝鮮は安心して日本にミサイルを向けられるようになります。このため、「中露」「露朝」間の分断を図るための打開策として早期に日露平和条約締結が重要であると思います。
 従来、外務省の対露外交の基本的な考え方として、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針に基づき、ロシアとの交渉に粘り強く取り組んでいくとされています。国民世論も四島返還の後、平和条約締結すべきであるという意見が大勢を占めています。そのような中、安倍首相は昨年11月「日ソ共同宣言」に基づいて交渉を進めると決断し、二島返還に舵を切ったことで平和条約締結の可能性が出てきました。しかし、現在はロシア側が北方四島の主権を主張したり、ロシア首相が択捉島に訪問するなど条約締結交渉が停滞しています。
 未来志向の日露関係のために必要な考え方として、歴史問題を持ち出さないことがあると思います。日本として「シベリア抑留問題」や「8月15日終戦後のソ連軍侵攻」があり、ロシアとして「第二次世界大戦を始めたのは日本だ」など双方の言い分は多くあると思います。しかし、歴史問題を持ち出して何十年も条約締結ができないこと自体が大きな問題ではないかと思います。日露関係は「未来の私達の子孫にとって何がメリットであるのか」を考えながら進めて行くべきであると思います。北方四島における共同経済活動の提案もなされていますが、迫りくる中国の脅威に対抗していくためにも国民世論に便乗せず、領土問題を棚上げしてでも、日露平和条約締結が急がれるべきだと思います。
以上
【参照】外務省ホームページ 対露外交の基本方針


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