スタッフブログ

2019.09.17

題:皇位継承を考える必要性について

 今回、杉浦名誉学長の講義の中で取り上げられた「天皇制」の中で、「皇位継承問題を考える必要」について書いてみたいと思う。
 皇位継承が可能なのは『皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。』(皇室典範1条)とされ、また『天皇及び皇族は、養子をすることができない』(同9条)とされることから、現在、皇位継承の対象者は3名(秋篠宮親王、悠仁親王、常陸宮親王)になる。僭越ながらご年齢を加味すると将来的に皇室典範1条にあたる男児が子孫としてお生まれになる可能性は悠仁親王しか存在しない。誠に不遜な仮定であるが、もし悠仁親王の御身に何かあった場合、即皇室が断絶するという可能性すら存在する。(実際、宮内庁もこの問題のため、親子である秋篠宮親王と悠仁親王に対して外遊に際し別の航空機を手配している。)以上から、皇位継承問題は差し迫った問題である。
 政府はこの度の『天皇の退位等に関する皇室典範特例法』の「付帯決議」において、「政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、(中略)皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに(中略)検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告すること。」という決議をしたが、実際検討が進んでいる様子はない。
 過去に天皇家として同様の場合に行われていた対策は、いち早く婚姻頂く、複数人の御妃をとっていただく等がある。また、突飛のないものだと、悠仁親王の精子を保存し体外受精によって…というものもあろうかと思う。しかし、いづれも現代の倫理観に照らして非常に受け入れがたいものであるに違いなく、実現は難しい。
 一方で『皇位は、(中略)国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。』(憲法第2条)から、上記問題は国会における通常の法改正で対応可能である。
 その場合、まず可能性として挙がるのは今上天皇のご子息である愛子内親王が女性天皇として即位することである。女性天皇については推古天皇など歴史上に前例があり国民感情としても可能であると思うが、問題はその次代が「女系天皇」になってしまうことにある。天皇家が「男系」に限られるという皇室典範の条文は現代倫理上の問題として槍玉にあがることが多いが、いづれにしても天皇家の特徴である「万世一系」の根拠として「男系継承」がある以上、「政治問題」として法改正が難しいと個人的に思われる。
 現実的と思われる策は戦後、皇室を離れた「宮家」を皇室に含めなおす手である。この方法であれば、皇位継承対象となる「男系男子」が飛躍的に増えると思われる。ただし、現実問題としてどこまで宮家として含めるのか、また宮家運営のための費用はどこから出すのか等、私が思いつく問題のみでも種々累々である。
 いづれにせよ一刻も早く、国民的議論を始める必要がある。


up