スタッフブログ

2019.07.05

題 「伝える」のではなく「伝わる」コミュニケーションについて

 「政治家が官僚や学者と違う点は、自分たちは何を考えていて、どういう理屈で、今後どうなっていくかを、国民の前で説明・説得できなくてはいけないことである。討論・演説、説明・説得・主張などは、政治家にとって極めて重要な素養である。」 その重要な素養の根幹をなすコミュニケーションスキルについて、廣瀬公一先生のセミナーを受講させていただき、大切なことを学んだ。それは、「相手に言ったことが伝わったことではなく、伝わっていることが自分の伝えたこと」ということだ。私が、この格言をどのように解釈し、今後どのように活かしていくかについて本レポートでは論じたい。
 私は、仕事等において、プレゼンをする機会が時々ある。私が、プレゼンの際に気を付けていたことは、「伝わること」ではなく、「伝えること」だった。つまり、聞き手の共感や関心を得ることをゴールにするのではなく、「いかにパワーポイントのスライドをキレイにするか」「いかに上手く話すか」そういったことをゴールにしていた。私の頭には、リスナーの顔が浮かんでいなかった。
 廣瀬先生のセミナーの中で、次のような一幕があった。上司役の塾生が「元気?」と先生に聞いた。そこで、先生は、非常に辛そうな表情やトーンで「元気です」と伝える。すると先生は、すかさず塾生にこう聞く。「何が伝わったと思いますか?」答えは一目瞭然、「元気ではないこと」だった。私は、その一幕を見て、「相手に伝わっていることが自分の伝えたこと」なのだと気づいた。
 また、エンロールという概念についても学んだ。エンロールとは、「感性的納得(心が動く)+論理的納得(理由がわかる)」が、生じることである。
 これまでの私のプレゼンのリスナーは、話の内容について「知った」もしくは「理解した」状態で止まってしまっていたと思う。なぜなら、私のプレゼンでは、リスナーの具体的な行動の変化にまで、あまり繋げられていなかったからだ。その原因の一つは、私が、左脳的コミュニケーション(論理的納得)しか行っていなかったためだと思う。リスナーが、エンロールするためには、右脳的コミュニケーション(感性的納得)も大切にするべきだった。実際、1限目の青山繁晴先生の講演でも、最も印象的だったことは、先生の流す汗や気迫から感じる先生の熱意だった。その熱意を感じたからこそ、私は心が動き、もっと講演の内容や青山先生自身についてまで知りたいと思った。
 今後、私は、左脳的・右脳的コミュニケーションを意識し、「伝える」のではなく「伝わる」ように、努めていきたい。その第一歩として、用意してきた定型的な挨拶だけで話を始めるのでなく、まず、リスナーと視線を合わせ、気の利いた一言からプレゼンを始め、リスナーと心を通わせる努力をしていきたい。

参考文献
政治家に必要な能力と、その育成を巡っての論点整理 5頁(公益財団法人 経済同友会 2014年5月23日)


up