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2018.11.05

題   「我が国における死刑制度の在り方について」

 杉浦名誉学長のディスカッション授業における今回のテーマが「死刑制度」で、それについて議論が行われた。私にとって死刑に関しては身近なものではないため、これまでにあまり深く考えたことはなかった。しかし最近、オウム真理教事件で死刑が確定していた13人全員の死刑が執行された。ニュースで知った時は大きな衝撃を受けたが、同時にオウム真理教による報復があるのではないかと心配をしている。
 さて、私は死刑制度に関しては存続すべきでも廃止すべきでもどちらでもないという立場にある。
 まずは、世界の死刑制度の現状を見てみよう。アムネスティ・インターナショナルによれば、すべての犯罪に対して廃止となっているのは106ヵ国、通常犯罪のみ廃止となっているのは7ヵ国、事実上廃止となっているのは29ヵ国、死刑制度を存置しているのは日本を含めて56ヵ国である。(2017年12月31日現在)法律上・事実上廃止国が合計142ヵ国となっている。それは国連加盟国の3分の2を超えるものだ。国家として死刑を積極的に執行している先進国は日本だけなのである。
 では、日本国内の現状はどうなのか調べてみた。内閣府の世論調査によれば、死刑制度に関して、「死刑は廃止すべきである」と答えた者の割合が9.7%、「死刑もやむを得ない」と答えた者の割合が80.3%となっている。死刑制度を廃止すべき理由に「裁判に誤りがあったとき、死刑にしてしまうと取り返しがつかない」を挙げた者の割合が最も多く、その次に多かったのは「生かしておいて罪の償いをさせた方がよい」であった。逆に死刑制度を存置する理由に「死刑を廃止すれば、被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」を挙げた者の割合が最も多かった。2番目に多かったのは「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」となっていた。
 最後に、日本国憲法第36条「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」という条文がある。残虐な刑罰とは、死刑にあたるのではないかと個人的に捉える。未だに日本では、死刑制度を存置すべきであるのが圧倒的に多いのは事実である。だからといって存続していいわけではないが、世界の情勢を見ると廃止すべきという流れになってくると思う。しかし、簡単に廃止するとは思えないので、死刑制度について改めて振り返ってみて、今後我が国においてどうあるべきか、慎重に議論すべき時期が来たのではないか。

(参考資料)
・アムネスティ日本 「死刑廃止国・存置国詳細リスト」 2017年12月31日
http://www.amnesty.or.jp/human-rights/topic/death_penalty/
・内閣府 世論調査「死刑制度に対する意識」 2015年1月26日
https://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-houseido/2-2.html


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