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2018.08.27

題   二段階憲法改正

 戦後の焼け野原からGDP第3位の裕福な国へと導いてくれた要因の1つである憲法を変えることは必要なのか。改正が必要ならば、どのように変えていくのか。本稿では杉浦名誉学長のご意見を参考にしながら、具体的な憲法改正案ではなく、国民に自分の問題として改正議論に参加を促す手段として二段階憲法改正について述べていきたい。
 中国の尖閣諸島への進出、韓国の竹島の事実上の占有、北朝鮮問題など東アジアの緊張状態が続いている。中国は軍事力増強を続け、30年度予算案ベースで国防費は日本の約4倍を計上している。陸上兵力の比較でも日本のおよそ8倍、韓国は4倍となっている。一方自衛隊は、「違憲論争に終止符を打つことは今を生きる私たちの責務だ」(*1) と総理が発言しなければならない存在である。緊迫する東アジア情勢のなか、国防を担う自衛隊が不安定な立場であることは好ましくない。ただ世論は9条改正賛成が44%、反対が46%(*2) であり、国民は改正に対する理解がまだ進んでいないと考える。
 まずは9条ではなく、広く合意できる条文を改正することで、国民の憲法は不変のものであるという認識を変える必要がある。そして、改正を行うことにより、改正議論に自分のこととして参加できる土壌を形成する。その上で9条に対して一歩踏み込んで考えるきっかけを提供する。このような二段階憲法改正を提唱したい。改正箇所としては、杉浦名誉学長からご指摘いただいた(*3) 、第7条4項や文語体、翻訳調の箇所、そして私はここに53条に具体的な日数を加えたいと考える。自民党憲法改正案でも「20日以内」に臨時会を召集するとあり、野党も訴訟(*4) を起こすぐらいなので、国民はもちろん与野党からも合意が得やすいと考えるからである。
 自衛隊が国防のために必要である以上、違憲であるとも解釈できる9条は改正する必要がある。しかし9条についての議論が深まっているどころか、思考そのものを避けている国民がいるのが現状である。まずは憲法改正をより身近な話題にするため、国会は大多数の人が賛成できる条文から改正を発議し、国民投票を通じて憲法改正を機会を提供し、改正について理解を深め、9条について広く国民を巻き込んだ冷静な議論を行っていくことが大切であると考える。

参考文献
(*1)安倍内閣総理大臣、新憲法制定議員同盟(2018年5月1日)での発言
(*2)共同通信社、世論調査(2018年4月25日実施)
(*3) 愛知政治大学院 2限目(2018年5月19日)
(*4)立憲民主党 高井崇志衆議院議員 憲法53条違憲国会賠償請求(2018年2月26日)

倉山満『口語訳日本国憲法・大日本帝国憲法』(2015), P6-P117,KADOKAWA
小林節『「決定版」白熱講義!憲法改正』(2017),P82-P154,P208-257,KKベストセラーズ
自民党『日本国憲法改正草案(全文)』(2012)
防衛省『平成29年版防衛白書』資料2「主要国・地域の兵力一覧」
外務省「中国基礎データ」,http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/date.html, 2018/05/21アクセス



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