スタッフブログ

2018.05.30

テーマ: ① 橋本聖子参議院議員の講演を踏まえて
題: 地域の健康・スポーツ振興策

 橋本聖子参議院議員の講演「オリンピック・パラリンピック東京大会のもたらすもの」-スポーツを通じた人材育成と健康街づくり-を踏まえ、各地方自治体が、地域の健康・スポーツ振興策についてどのように取り組むのが良いのかを論じたい。
 橋本聖子参議院議員によれば、地域の健康・スポーツ振興策につき、主に以下の3つを議論の柱とされていた。第1に、官僚機構の縦割りの見直し、第2に、国の政策任せではなく、地方がやれることは自ら率先して行うこと、そして、地域住民(利用者)目線で改革することである。第1の点は、文部科学省の外局でしかないスポーツ庁の再編、2点目は各自治体が条例の制定や改変により、スピードをもって対応することである。行政や立法面での改革が必要と言える。
 一方、第3の論点は、その地域の行政がいかに地域住民目線で、取り組むかというあらゆる地域行政に求められるテーマである。ただ、税金である資金を多額にかけて立派な施設を建設しても、その地域の住民の視点に立って、その地域住民の方々のために本当に役立つものでなくては、政策効果を得られるものになるとは言えない。それを打開するための一つの方策として、各地方自治体が、民間のサービスやマーケティング力を活用することが考えられる。
 この事例として、長野県伊那市がトレーニングジム等を展開する民間企業 RIZAPと2018年1月から開始したシニア層を対象とした健康増進プログラムの導入が挙げられる。伊那市からライザップへの支払いは、プログラムの成果に連動する成果報酬型で、参加者の体力年齢改善と医療費削減の結果に応じて、RIZAPに料金を支払う仕組みである。また、サービス内容としては、週1回、1回あたり90分の運動トレーニングを全8回と、栄養バランスの良い食事についての指導、定期的な進捗管理で、運動はストレッチや足踏み運動等、器具を使わずにできる軽いトレーニングを中心に行う。このように、各地方自治体が、地域住民の視点に立って、東京等の大都市圏で人気の高いサービスを、カスタマイズして地域に持ち込みこむ取り組みは非常に興味深い。更に、医療費削減の結果に応じた成功報酬型である点も、自治体運営や政策の観点からは注目すべきポイントである。
 地域住民目線に立ち、且つ、自治体が自ら全て行うのではなく民間企業を活用し、地域住民、自治体、民間企業の3者の各々にメリットがある政策を実現していくことは、地域の健康・スポーツ振興策及びそれ以外の政策テーマでも有効であると考える。
【参照】新・公民連携最前線ニュース「ライザップと伊那市、成果報酬型の市民向け健康増進プログラムを実施」(日経BP/2017年12月4日)


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