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2018.05.30

題  テーマ① オリンピック・パラリンピック東京大会のレガシーについて

 オリンピック・パラリンピック(以下「オリパラ」と言う。)や万博などの大規模イベントの評価では、競技場などハード面だけでなく、街づくりや社会システムなどソフト面で何を良いレガシーとして残せるかが、大きなカギとなる。
 橋本参議院議員の講演では、スポーツを通じた人材育成に加え、その人材が観光コーディネーターとなり、その街に長期滞在する観光客を増やすことによる観光消費額増大に繋げたいというアイデアがあった。私も我が国の今後のために、是非取り組むべきであると考え、その理由と必要性について述べたい。
 わが国では、観光庁が平成20年に設立されて以降、観光施策に力を入れ始めているものの、産業といえば、自動車や鉄鋼などのモノづくりであり、観光産業振興への注目度は、他の産業に比べて小さい。
 しかし、人口減少が始まったわが国の経済を維持するために、観光産業の成長は、なくてはならない重要なものである。
 生産年齢人口が2060年には現在の半分近くまで減少することに伴いGDPも減少していく分を、何かで補わなければならないが、その解決策として必要不可欠なのが、外国人旅行者による観光消費額である。
 観光庁の資料によると、定住人口1人減ることによる年間消費額(124万円)は、外国人旅行者の国内消費額8人分で賄えるとある。国内旅行者(日帰り)だと80人分である。これを効率的に確保するためには、外国人観光客数を増やすだけでなく、一人当たりの観光消費額を増やす必要があるが、それにはフランスやイタリアなど観光立国並みの長期滞在型の観光に適した施設や観光体験コンテンツを整備する必要がある。
オリパラによる観光施策として、世界中から訪れた人々に日本の良さを知ってもらうという単純なものでは、オリパラが終わればそれも終わりで、長続きするものではない。しかし、オリパラで育成した人材により、スポーツツーリズムなど長期滞在型の着地型観光コンテンツを確立することができれば、将来に向け長きに渡り我が国に利益をもたらすことになる。
 世界の国際観光客数は、2016年12億3500万人であるが2030年には 18億人で、3割も増えると予測されている。また、国別の国際観光収入ランキングでは、日本は11位で約3.7兆円であるが、日本より人口の少ないフランスやイタリアよりも少なく、伸び代は十分あると考える。
 東京オリパラを絶好の機会と捉え、将来の日本のために最良のレガシーとなるよう国も地域も一体となり、良質な観光コンテンツの創出施策に取り組むべきである。 
出典
◆観光庁「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」
第1回 資料1 観光の現状等について「観光交流人口増大の経済効果(2016年)」
http://www.mlit.go.jp/common/001202104.pdf

◆国連世界観光機関(UNWTO)
Tourism Highlights 2017Edition
https://www.e-unwto.org/doi/pdf/10.18


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