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2018.03.22

教育制度の柔軟化と国家の発展

 現行の教育制度は、6334年生を採用しているが、一部、中小一貫や中高一貫教育を行うようになった。これは、教育の連続性によるメリットをとらえてのことであろうが、根本的にみて、日本の教育制度は、多元化の方向性を示しているととらえられる。多様な教育を選択できることについて賛成するが、私は、さらに、高等教育の制度の柔軟化が必要であると考えている。
 その主な理由は、少子化である。厳しい受験競争さらには就職競争にさらされている若年層の女性は、生物学的にとらえると格好の出産適齢期であるが、現行の教育制度では、10代の後半および20代前半に子供を産み育てるという選択が非常に困難な状況にある。そのため、ついに2011年には、母親の第一子出産の平均年齢は、30歳を超えた。30歳を過ぎると妊娠に適した卵子の質・量ともに低下し、たとえ、子供を望んでいても、妊娠に至る可能性が減じてくる。したがって、現行の制度を続けていては、少子化はさらに進むと考えられる。
 若年層の出産のメリットは、育児を体力のある時期にできるという個人的なものもあるが、それ以外に社会的なものも大きい。社会保障的にとらえてみても、加齢による出産のリスクの低下とともに、出産関連の医療費の低下が期待できる。不妊治療費の公費負担も減るだろう。さらには、若年層が出産した場合、その祖父母もまだ体力があり、育児参加できる。すなわち、出産年齢が下がることで、育児に関するソーシャルキャピタルの拡大もまた期待できるのである。
 過酷な競争を経て、女性が30歳前後でやっと落ち着いて自分自身のライフプランを考えられるようになるという現行の教育制度を克服するためには、若年期に子供を持ちながらも、それをハンディキャップとすることがなく、高等教育を継続でき、かつ、社会的にも承認されるような制度にする必要がある。
 具体的には、まず、AO入試のように一般入試とは別の枠組みで、出産・育児を早期に行うものに対する入試枠を設けるなどの措置が必要とされるであろう。また、高等教育施設に授乳室などの子育て環境の整備する、学内保育所などの保育支援をする、子供の病気による欠席に対しての補習をおこなうなど、総合的な支援が必要である。また、出口である就職についても、社会的に受け入れられる枠組みがきっちりと示される必要があるであろう。さらには、奨学金の支給などにより若年期出産を経済的にバックアップする必要もある。
 以上、指摘したように、現在の日本は、教育の負担が過大になりすぎたために、出産時期が後退し、もはや社会が容認する出産時期が、女性の生物学的出産適齢期を過ぎた状況に陥っている。若年層が出産できる状況を社会が創出するには、上記のように、教育制度の柔軟化と若年出産に対する社会的容認が重要な視点と考えられる。


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