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2018.02.26

題 塩谷議員のお話を聞いて

 今回含め、何度か「一票の格差」問題が話題に上がっています。一票の格差問題=選挙区間の定数調整を論じる時、対立軸は「一票の価値」と「地方(人口の少ない県)の声」に収斂されるかと思います。
 私自身は「一票の価値」の側の考えで、合区賛成派です。抑々国政選挙において、現時点での行政区(主に都道府県単位)による区割りを重視する必要性を感じないからです。改憲案の中に合区を否定するための条文(行政区単位で1議席以上)を入れようとの報道もありますが、そういえば、道州制の話はどうなったのでしょうか。軟性憲法ではない我が国の憲法条文に選挙区や行政区を規定する文言を入れる事は、制度の硬直化を招くだけであると考えます。
 抑々我が国は明治以来集権中央国家を形成してきており、文化の豊饒さは別として、国民の基本的な価値観は概ね均質です。今回どなたかが「アメリカでは上院議席は人口に関わらず州単位」と仰いましたが、合邦であり、南北に分かれて奴隷云々と戦争をする国とは、根本的な国家観が違うように思います。日本にも古くは律令国、近世には藩が設置され、藩については明治以降の行政区にかなり影響を残しましたが、明治・昭和・平成の大合併で、市町村についてはほぼ面影がなくなり、府県についても明治初期の変遷を見れば、地域性はあまり考慮されていないように思います。鳥取と島根の合区を話題にするときに伯耆だ石見だと律令国で言っても、では武蔵国(現在の人口約2500万人)とそれを同列に見られるのか、という話になります。時代の移り変わりによって人口が変動すれば、議席も変動するのは当然かと思います。これを固定化する理由が「地方の声」であると言っても、改選定数1の県で比較的有利な自民党の側の意見にしか思えません。定数1の県が合区になり都市部の定数が増えても、自民で議席は取れないでしょうから。前回参院選で、愛知自民が2人目を出せなかったのが好例です。抑々、優越性で参院の上位に位置する衆議院選挙区はどの県も1以上あるのだから、国政への地方の声の反映と言う機能は、これで担保されていると思います。
 個人的には、参議院は東海、北陸などの地域ブロックでの選挙、またこれに併せ衆議院での中選挙区制の復活(且つ、政治資金規正の更なる厳格化。企業献金を廃止すると導入した政党助成は今どうなっているのか)、また、自民党の言うところのではない「コスタリカ方式」またはこれに近い制度の導入が必要なのではないかと思います。
 地方の自民党国会議員のサイト、リーフレットを見ると、今は減った方ではありますが、「如何に国から自分の選挙区に予算を引っ張ってきたか」のアピールがよく目につきます。「地方の声を国政に反映する」と所謂利益誘導型政治は、全く非なるものであり、これと決別するための抜本的な選挙制度改革が必要なのではないか、と思います。

※参考資料…Wikipedia(武蔵国の人口算出のためのデータ)

 


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