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2017.07.24

題 「資本主義と共産主義はどちらが良いか」の議論について

 杉浦先生のお話の中で、資本主義と共産主義の対比が話題に上がりましたが、これについて私見を述べたいと思います。
 私が社会的なことに興味を持ち始めた頃(小学校高学年、90年代半ば)には、ソヴィエトは既に跡形もなく、中国は改革開放に精を出し、「共産主義(及び社会主義)は失敗した」と言う風潮でした。現在統制経済と言う意味で共産主義が実際に機能している国は、北朝鮮含め世界に存在しないように思います。
 所謂「マルクス主義」を本格的に学んだわけではありませんが、共産主義は資本主義に対する反発から生まれたものであると解しています。マルクス経済学では資本主義は共産主義に比べて遅れた制度であるとされ、ゆくゆくは全ての社会が共産主義となる(発展段階論) としていますが、21世紀の現実世界においてそれが成されているかは上記の通りです。やはり「共産主義は失敗」であったと考えます。蛇足ですが、発展段階論は宗教学の世界にもあり、それによると一神教は多神教が進化した形態であり、多神教は一神教に比べ遅れた形態であるとの事です。西洋の人間と言うのは、何にせよ自分たちこそが進んでいると思いたいようです。
 では、資本主義への反発=資本主義の悪い(と思われる所)を取り除いたはずの共産主義が何故失敗したのかという事になりますが、結局は理想論であった、と言う事だと思います。廣瀬先生のお話の中で出てきた二宮尊徳の言葉「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」の言葉がその通りであり、道徳なき経済(行き過ぎた資本主義)も経済無き道徳(共産主義)も、上手くいくものではない、という事だと思います。
 資本主義は、貧富の格差、またその固定化が問題となります。これが行き過ぎた国々で、共産主義革命が起こり、また資本を独裁した政府が倒されました(イラン革命等)。しかし、所謂「修正資本主義」に見られるように資本主義を採用する国々は自らその弊害を是正しており、資本主義のデメリットを克服した国々が今、先進国と言われる経済的に豊かな国とみられています。
 現在、修正資本主義後の資本主義社会は様々な問題を抱えつつも、ソヴィエト末期のような閉塞感は無く、緩やかに発展しているように感じます。しかし個々の国、例えば日本の場合ですが、戦後七十年以上が経ち、制度や利権構造の固定化、政界・芸能界などに象徴される二世・三世による世襲など、「努力するよりも利権に乗っかった方が得(努力しても報われない)」と言うような面が表面化し、それによる社会全体の倦怠感、諦めと言ったものも問題になってきているように思います。それが質疑での「共産主義は本当に悪かったのか」の問いにつながってくるのではないかと感じています。
 イデオロギーとしての共産主義は潰えましたが、それは必ずしも「資本主義が正しかった」と言う意味ではないことを、肝に銘じておく必要があると思います。


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