スタッフブログ

2018.08.27

two men, two leaders, one destiny

 2018年6月12日、史上初の米朝会談が行われた。タイトルはトランプが金正恩に見せたビデオ(*1) の中で一節である。対立はやめて、北を経済発展させる上で2国は運命共同体であるという内容である。世間では「失敗」や「中国の一人勝ち」といった評価があるが果たしてそうだろうか。本稿では米国の外交戦略を見ながら、朝鮮半島の今後を考察していく。
 6月12日、日・ラオス首脳会談が行われた。東南アジアでも後進国であるラオス(*2) となぜこの日に会談を行ったのか。中国からの経済支援を目的に関係を深化させてきたラオスは中国べったりの外交方針を変えつつある。相手国を尊重しない中国のやり方に嫌気をさしているからだ 。(*3)日本は中国と国境を接しているこのラオスにくさびを打とうとしている。一方、米国はこの日、米国在台協会台北事務所の新庁舎落成式を行った 。(*4)この式に出席した米国人の肩書が何であれ、重要なのは20名程度の米海兵隊がこのビルの警備につくことである。小規模ではあるが台湾に初めて米軍を駐在させる。また、トランプ大統領は中国に追加関税を課すことを発表した 。(*5)中国は米国を朝鮮半島問題に注力させ、その隙に台湾や東南アジア諸国に影響力を与えてきた。しかしトランプ大統領は中国と直接対峙するつもりだ。
 また、トランプ大統領は米韓合同演習を中止した 。(*6)在韓米軍撤退も示唆している。北朝鮮と取引したように中国とも取引をするのではないか。それは在韓米軍の撤退する代わりに中国に北朝鮮の非核化(CVID)をさせることである。金正恩も米国より中国主導の非核化の方が応じやすいし、中国のアジアの盟主になりたいという思いを刺激することができる。この非核化作業の間に「戦略的忍耐」によって失われたアジアにおける米国の影響力を取り返そうとしているのではないか。
 安倍総理と米国の外交を見ていると薗浦議員がおっしゃっていた通り、とても緊密に連携している。「大国」である中国・ロシアと「諜報機関」「軍事力」というカードをもたない日本が向き合うためにはもう1つの「大国」である米国とone destinyでなければならない。

(*1)https://www.youtube.com/watch?v=aYsaC2CADs0 Guadian News
(*2) 2017年GDP 115位 / 9位(世界/ASEAN) IMF – World Economic Outlook Databases
(*3) ラオスで中国人襲撃事件 高まる反中感情 http://japan-indepth.jp/?p=35189
(*4)米国の新在台湾事務所が6月に落成 https://www.sankei.com/world/news/180521/wor1805210032-n1.html
(*5)トランプ米大統領、中国製品2000億ドルに追加関税課すと警告
 http://www.bbc.com/japanese/44529710
(*6)米韓、8月の合同演習中止 https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061900269&g=int
小倉和夫編『朝鮮半島地政学クライシス「激動を読み解く政治経済シナリオ」』(2017年)日本経済新聞出版社



2018.08.27

題   二段階憲法改正

 戦後の焼け野原からGDP第3位の裕福な国へと導いてくれた要因の1つである憲法を変えることは必要なのか。改正が必要ならば、どのように変えていくのか。本稿では杉浦名誉学長のご意見を参考にしながら、具体的な憲法改正案ではなく、国民に自分の問題として改正議論に参加を促す手段として二段階憲法改正について述べていきたい。
 中国の尖閣諸島への進出、韓国の竹島の事実上の占有、北朝鮮問題など東アジアの緊張状態が続いている。中国は軍事力増強を続け、30年度予算案ベースで国防費は日本の約4倍を計上している。陸上兵力の比較でも日本のおよそ8倍、韓国は4倍となっている。一方自衛隊は、「違憲論争に終止符を打つことは今を生きる私たちの責務だ」(*1) と総理が発言しなければならない存在である。緊迫する東アジア情勢のなか、国防を担う自衛隊が不安定な立場であることは好ましくない。ただ世論は9条改正賛成が44%、反対が46%(*2) であり、国民は改正に対する理解がまだ進んでいないと考える。
 まずは9条ではなく、広く合意できる条文を改正することで、国民の憲法は不変のものであるという認識を変える必要がある。そして、改正を行うことにより、改正議論に自分のこととして参加できる土壌を形成する。その上で9条に対して一歩踏み込んで考えるきっかけを提供する。このような二段階憲法改正を提唱したい。改正箇所としては、杉浦名誉学長からご指摘いただいた(*3) 、第7条4項や文語体、翻訳調の箇所、そして私はここに53条に具体的な日数を加えたいと考える。自民党憲法改正案でも「20日以内」に臨時会を召集するとあり、野党も訴訟(*4) を起こすぐらいなので、国民はもちろん与野党からも合意が得やすいと考えるからである。
 自衛隊が国防のために必要である以上、違憲であるとも解釈できる9条は改正する必要がある。しかし9条についての議論が深まっているどころか、思考そのものを避けている国民がいるのが現状である。まずは憲法改正をより身近な話題にするため、国会は大多数の人が賛成できる条文から改正を発議し、国民投票を通じて憲法改正を機会を提供し、改正について理解を深め、9条について広く国民を巻き込んだ冷静な議論を行っていくことが大切であると考える。

参考文献
(*1)安倍内閣総理大臣、新憲法制定議員同盟(2018年5月1日)での発言
(*2)共同通信社、世論調査(2018年4月25日実施)
(*3) 愛知政治大学院 2限目(2018年5月19日)
(*4)立憲民主党 高井崇志衆議院議員 憲法53条違憲国会賠償請求(2018年2月26日)

倉山満『口語訳日本国憲法・大日本帝国憲法』(2015), P6-P117,KADOKAWA
小林節『「決定版」白熱講義!憲法改正』(2017),P82-P154,P208-257,KKベストセラーズ
自民党『日本国憲法改正草案(全文)』(2012)
防衛省『平成29年版防衛白書』資料2「主要国・地域の兵力一覧」
外務省「中国基礎データ」,http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/date.html, 2018/05/21アクセス



2018.08.27

外交について考えた日!           
 今日は外交について、深く深く考える日となった。
 「米朝会談後の拉致被害者3人の返還は軍事力の成果である。」との薗浦先生のご意見、「日本は大国とは言えない。国際社会の位置付けを考えるべき。」外務副大臣を務められた杉浦名誉学長のご発言等。高度成長期に育ち、「強い日本」を信じて疑わなかった私は、少なからずショックを受けた。
 「世界の中の日本」を考え直す一日が終わって、帰り際に、ふと思い出す。
 神奈川に住んでいた頃、大磯にある焼失前の吉田茂邸に行ったことがある。首相時代の佇まいを残すもので、戦後日本の将来がこの地で決せられていたことに感慨深いものがあった。戦後日本は、東西冷戦の中、GHQの占領下で西側(NATO)の一員となり、米軍基地を配備することで、日米安保により独立国としての地位を得ることとなった。日米安保条約はまさに大きな政治判断であり、世相的にも、日本は「アメリカの植民地」になる、「51番目の州」になるといわれた中での決断である。この日米安保により、アメリカの軍事力の傘のもと、日本は「モノづくり」によって経済大国となり「Japan as NO1」と称されるまでになった。しかし、その後にバブル経済が崩壊し、グローバル化の波に呑まれて日本は迷走し「失われた20年」となる。あくまで自説であるが、この「失われた20年」の要因として、戦後の日本が、「戦力不保持」を謳う日本国憲法のもと、「軍事」にあまりに無関心であったことが挙げられるのではないかと思う。
 「軍事力は科学と経済を発展させる」。これはもう30年も前になるが、大学時代の国際関係論の教授の言葉である。さらに教授は曰く、「軍事兵器は自動車などの耐久消費財と違い、大量に持つことに意味があり、作れば、作るだけ売れるから、経済的にも発展する。」、「米ソの対立がこのまま続けば、貿易摩擦に悩む日本の自動車産業は、将来、軍事産業に転換するのではないか。」実際、戦後に「核」を持った中国は、今や日本を上回る大国となり、「非暴力」で独立したインドさえ「核保有国」となり、著しい新興国となっている。軍事力の探求が「IT」、「AI」を始めとする最先端の技術を進化させたことは今や自明であり、一方、日本はこの分野では、もはや追いつくことができないといわれる。そして、国民の意識においても、昨年、北のミサイルが日本に飛んできても、なぜか他人事、絵空事であったかのようで、危機意識が沸き上がらない。アジアの近隣諸国が軍事力を強化し、韓国は「徴兵制」を実施し、「非常時」に備えている中で、戦後日本は「戦力の不保持」を謳う日本国憲法のもと、「平和主義」によって、「平和慣れ」してしまったのではないか。「平和主義」は美しい、まさに「理想」である。しかし、その平和はアメリカ頼りの「平和」である。「理想」を追いかけて「現実」を見ようとしないのが、今の日本国民ではないか?「島国で資源の乏しい日本」は他国の協力なくては、国際社会の今の地位を維持できない。それを具体的に示しているのが安保法制であり、TPPである。アメリカファーストの時代に一層の外交能力が問われることになる。
 第16期のご講演で、当時の石破大臣は、「勇気と真心をもって、真実を語る。」という政治家としての心構えの一つを語られた。
 自分が政治家になろうとしたとき、「不都合な真実」を有権者に対して勇気をもって語ることができるか・・・、帰りの電車に乗り、自問自答した。   以上


2018.08.25

題  地方の真摯さが日本を変える

 平成30年7月豪雨や地方の猛暑を中心とした新聞記事やニュースをほぼ毎日目にします。西日本を中心に大きな被害が出た豪雨災害に関しては、65歳以上の災害弱者とされる高齢者が、多く犠牲になっている実態が浮き彫りになりました。猛暑に関しても、熱中症で運ばれる重症者の多くは高齢者と報道されます。
 戦後、1950年において日本の高齢化率はわずか4.9%でしたが、現在は25%を超えており、メディアを通じ改めて日本人の高齢化を感じます。
 今回、元自民党幹事長衆議院議員石破茂先生のご講演を聞き、国家の存立要件とは何かと改めて認識しました。石破先生は国家の存立要件を「国土」「国民」「排他的統治機構」と述べ、日本はすでに有事であると言います。国土を守る、国民を守ることの重要性については、ほぼすべての国民が理解しており、尖閣諸島や北方領土、あるいは拉致問題について、多くの人が熱心に議論し、行動をとっています。しかし、事が人口問題となると、そのような「熱さ」は感じられません。敵国が攻めてくるとか、領土を奪われるといったことは、現段階では「起こりうるリスク」に対し、人口問題はすでに「起こっていること」であり、現在進行形の問題ですが政治家も国民も危機感が薄いと感じます。
 事実、私が住む地域は高齢化率が42%を超えており、地域よっては50%を超えています。地元の方は地域の高齢化率や人口推移に関心はなく、石破先生が言う通り、危機感が薄いと感じます。
 しかし、集落によっては、地域の高齢化を危機的に感じ、積極的に村づくりを行っています。例えば、静岡県に所在する「道の駅くんま水車の里」は平成元年に農林水産祭において天皇杯を受賞しました。平成元年はバブル好況期でしたが、道の駅くんま水車の里は地域の未来を考え、人口減少や過疎化が世間で話題となる前に動き始めました。その結果、今は年間7〜8万人の来場者が小さな集落に訪れます。
 石破先生は「地方の真摯な取り組みこそが国を変える」と述べておりましたが、今回のご講義を通じ改めて地方の真摯的な取り組みの大切さを感じました。
引き続き、今後の愛知政治大学院の研修にて、地域にあった方策を見出すことに努め、学ぶだけでなく実践に移して参りたいと思います。

<参考文献>
石破茂 『日本列島創生論』東京:新潮社、2017、p5
石破茂 『国難』東京:新潮社、2012、p50




2018.08.25

2018年7月28日
題  「防災省の必要性」

 私は、昨今の日本は、「課題先進国」であると強く感じている。少子化、人口減少、高齢社会、財政、経済や産業の弱体化など様々な大きな課題がある。そして、自然災害である。しかし、自身の意識として、自然が起こす災害には、ある種の無力さを感じていた。(付け加えると、国のシステムとして、災害対応の行政単位が地方自治体であることを、恥ずかしながら、今回の講義を経て、初めて知った。)今回、石破先生が言及された「防災省」は新しい発見であり、事務局の情報提供のお陰で、その考えに深く触れることができた。
 結論から言うと、私は、石破先生の「防災省」のアイデアに深い感銘を受けた。日本の長期的なビジョンと国策を見た。自治体の災害対策には、頭が下がる思いでいっぱいではある。その各自治体のノウハウを集約しながら、日本全国で地震、水害、火事、土砂災害、暴風雨など、地域ごとに異なる事象の傾向を蓄積し対策を講じ、それぞれをケーススタディ化する。また中長期で専門性を持つ人材や機能、設備を持ち、国の独自の部隊が生まれることは実に有意義である。その日本ならではの叡智は新しい産業になる。
 その産業育成に向けて、防災省構想に、新しいアイデアを付与したい。2011.3.11の東日本大震災や、つい先日起こった西日本豪雨において、SNS(Twitterなど)が活用されたことは記憶に新しい。もちろんデマ情報もあるという問題はあるが、インターネットテクノロジーが生み出した情報連携は、災害対策に大きな効果を得た。ここにヒントを得ると、SNSは使い方次第で、災害時の連携になることは明白であり、さらにSNSのテキスト分析は、AIが広く活用されており、前述のデマやフェイクニュースなどの撲滅の一助となっている。また本田技研のカーナビは、3.11の際、全国の車の走行情報を分析し、東北地方で、どの道路が不通であり、どの道路がライフラインとして生きているか判断するデータとして機能した。現在、気象情報のデータ解析は、高い確率で災害の予知に用いられている。そのような新たなテクノロジーを駆使したデータセンターを、防災省が、国の機関として担うことは、新しい未来の産業を生む。AIやビッグデータは、いまの産業の最先端ではあるが、日本では、生産や物流の自動化や、企業などのマーケティングに活用されているのみで、防災に対しては、多くない。またその投資額は非常に小さい。
 AIとビッグデータの産業は、いま熾烈な国際競争の真っただ中である。中国が産業育成として、アメリカは軍備で、ドイツは工場のオートメーションで、AIやビッグデータの活用で産業発展を目指している。日本は独自の国策として、防災という大きな課題に向けて、さらにはテクノロジーインフラの構築を目指すべきであると思う。そして、首都直下型地震、南海トラフ大地震に、万全の備えを構築していくべきではないか。
以上


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